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世界卓球で「サプライズ選出」。
15歳の美少女・長﨑美柚とは何者か (5ページ目)

  • 城島充●文 text by Jojima Mitsuru
  • photo by AFLO SPORT


ホープスでも優勝し、年代別のカテゴリーをすべて制した長崎 photo by AFLO SPORTホープスでも優勝し、年代別のカテゴリーをすべて制した長崎 photo by AFLO SPORT 中国の指導者がどこにその可能性を見出したのかはわからないが、6年生になって身長が160センチを超えたサウスポーは、バンビとカブに続いて全日本ホープスの部(小学6年生以下)でも頂点に立った。

 年代別のカテゴリーでバンビ・カブ・ホープスの3階級制覇を果たしたのは、あの福原愛以来の快挙である。2014年8月に韓国で開催された東アジアホープスでも優勝した神奈川の天才少女は、小学校を卒業後に東京にあるJOCエリートアカデミーへ進んだ。

「もし、東アジアホープスで優勝していなかったら、エリートアカデミーには入れていなかったと思います。それだけ高いハードルを越えて飛び込んだ環境だからこそ、私たちが美柚に託した"打倒中国"の夢を実現できると思いました。普通のおばさんたちの役割は終わった。これからは成長していく美柚を遠くから見守っていこうと、チーム美柚のみんなが思っていました」と、村守は振り返る。

 だが、故郷を離れ、新たな環境に飛び込んだ俊才が陽の当たる場所に立つまでには、さまざまな曲折があった。

「このままだったら、美柚ちゃん、ダメになっちゃうかもしれない」

 東京のNTCで長﨑の練習を見た岸田聡子から、そんな連絡がクラブに届いたのは、みんなの期待を背負った少女がひとりで上京してから1年が過ぎようとしていた頃だった。

(後編に続く)

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【書籍紹介】

数々の女子卓球最年少記録を塗りかえ、いま、日本の卓球ブームを支える17歳のふたりの、ライバル&親友物語。
ふたりが母親の指導で卓球を始めたのは3歳のときでした。それがいまや、平野美宇はアジアチャンピオンに、伊藤美誠は五輪メダリストに成長しました。小さいころのなかよしエピソードから、2020年の東京オリンピックに対する思いまで、いまもっとも注目を浴びる女子アスリートのふたりに、ズームイン!

【目次】
まえがき リオデジャネイロから東京へ
第一章 伊藤美誠――きびしい「訓練」
第二章 平野美宇――「みうはみう!」
第三章 ともだちだけどライバル
第四章 世界をおどろかせた「みうみま」ペア
第五章 伊藤美誠――銅メダルという宝物
第六章 平野美宇――リザーバーからの飛躍
あとがき がんばれ! ピンポンガールズ

【著者プロフィール】

城島充(じょうじま・みつる)

ノンフィクション作家。産經新聞社会部記者を経てフリーに。『武蔵野のローレライ』で文藝春秋Numberノンフィクション新人賞、『拳の漂流』(講談社)でミズノスポーツライター最優秀賞、咲くやこの花賞受賞。他の著書に『ピンポンさん』(第39回大宅壮一ノンフィクション賞最終候補作・講談社)『にいちゃんのランドセル』(講談社)など。

【発行】講談社
【価格】1200円+税

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