NFL4強に予想外の3チーム。今季のスーパーボウルは異変発生か? (4ページ目)

  • 永塚和志●取材・文 text by Kaz Nagatsuka
  • photo by AFLO

 まず触れておかなければならないのは、イーグルスのQBニック・フォールズも、バイキングスのQBケイス・キーナムも、ともにシーズン開幕時は先発QBではなかった点だ。このラウンドはスター選手ではないQB同士の対決ということで、現地の一部メディアは「ノーネームボウル」と呼んでいる。

 イーグルスは、2016年ドラフト全体2位指名のQBカーソン・ウェンツがレギュラーシーズン第14週に大ケガを負って今季絶望となったことで、控えのフォールズに白羽の矢が立ったものの、第15週から3試合先発を任されたフォールズの平均パス成功率はわずか56.4%。レギュラーシーズンでのフォールズのプレーは明らかに安定感を欠いていた。

 しかしプレーオフ初戦となったディビジョナル・ラウンド、アトランタ・ファルコンズ戦でのフォールズのプレーはレギュラーシーズンとまったく違っていた。パス30本中23本を通して高い成功率をマークし、見事チームを勝利に導いたのである。

 好成績を挙げられた要因は、プレーオフまでの期間に練習時間を多く作れたことが大きいだろう。ファルコンズ戦ではチェックダウンパス(パスターゲットが全員カバーされているときにランニングバックに投げる短いパス)を織り交ぜながら、着実にボールを進めていた。このオフェンスは、急遽出番となったレギュラーシーズンではなかったものだ。

 チェックダウンは1度に長い距離は稼げないため、相手に大きなダメージを与えることはできない。だが、1試合平均の被喪失距離がリーグ4位(306.5ヤード)のディフェンス力を誇るイーグルスならば、オフェンスでリスクの高いプレーを選択しない賢い戦い方とも言える。

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