あの元ベイ投手の息子も!NFLに現れた次世代QB「7人の侍」

  • 永塚和志●取材・文 text by Kaz Nagatsuka
  • photo by Getty Images

 昨シーズン、当時39歳の大ベテランQB(クォーターバック)トム・ブレイディが劇的な大逆転を演じ、ニューイングランド・ペイトリオッツがスーパーボウルを制したのは記憶に新しいだろう。たしかにここ数年、プレーオフで上位に進出してくるのは経験豊富なベテランQBを擁したチームが大半だった。

 しかし、2017年シーズンは若いQBに目を向けてほしい。虎視眈々と頂上を狙い、プロの世界でのし上がってやろうと鼻息を荒くする将来有望な「7人の次世代QB」たちを紹介しよう。

リーグを代表するQBとなったレイカーズのデレック・カーリーグを代表するQBとなったレイカーズのデレック・カー【1】ミッチェル・トゥルビスキー
(シカゴ・ベアーズ/2017年ドラフト1巡目・全体2位/23歳)

 今年4月のドラフトの直前になって、突如その名は報じられるようになった。それまで無名だったミッチェル・トゥルビスキーをシカゴ・ベアーズがドラフト全体2位で指名。全体3番目の指名権を有していたベアーズは指名順位をたったひとつ上げるためだけに、自らが持つ下位ドラフト権3つをサンフランシスコ・49ersに譲り渡してまで獲りにいったのだ。

 つまり、彼はそれほどの「モノ」だということだ。プレシーズンに登場したトゥルビスキーはパスの正確さや機動力、そして自慢の強肩ぶりを披露し、早くも高いポテンシャルを垣間見せている。

 また、精神面の強さと成熟度もトゥルビスキーの魅力だろう。ノースカロライナ大の3年間で、試合に先発したのは3年生時の13試合のみ。経験の少なさは懸念されているものの、控えとして過ごした2年間で我慢する忍耐力を培ったという。ドラフト上位でプロ入りするQBは大学時代からスター待遇を受け、甘やかされて育ったケースが多い。その環境が足かせとなってプロでは活躍できないことも少なくないが、我慢を知っているトゥルビスキーにその心配は不要だろう。

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