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卓球・丹羽孝希「リオの銀メダルが
思ったより嬉しくなかった理由」 (3ページ目)

  • 水野光博●文 text by Mizuno Mitsuhiro  露木聡子●写真 photo by Tsuyuki Satoko


「調子は悪くなかったですし、3回戦の相手が守備型の選手で、かなり攻めることができたので、ある程度調子が出たかなと」
 
 準々決勝でロンドン五輪金メダリストの張継科(中国)と対戦。丹羽は1ゲーム目を11−5と先取するも、その後は4ゲームを連取され敗れる。

「1ゲーム目は相手が何もしてこなくて。しかも、落としても特に焦った様子もなかったです。2ゲーム目からしっかり作戦を立て、僕の嫌なところを攻めてきましたね」
 
 1−4で敗れたとはいえ、第3、4ゲームともに7−11だった。善戦と言っていいようにも思えるが......。

「7点では善戦と呼べないですね。8、9、10点で接戦という感覚です。5、6、7点では惜しかったとは言えない。実力差がある負け方です。張選手とは差がありました。団体戦のように3ゲーム先取の方式なら、1ゲーム目を取った勢いで、そのままいけることもあるんですが、勢いや流れだけで、自分より強い選手に4ゲーム取ることは本当に難しい」

 丹羽が気持ちを切り替え臨んだ団体戦。日本に追い風が吹いていることは間違いなかった。

「正直、組み合わせはラッキーでしたね。中国と同じ山なのか、別の山かで、メダルの色が変わるんで。それに、オリンピックの団体の方式はダブルス戦がある。これでドイツに勝ちやすくなったと思います。世界選手権のように全試合シングルス戦の方式の時は、ドイツにいつも負けているので。五輪なら、水谷(隼)さんがふたつ取って、あとは僕と吉村(真晴)くんでダブルスが取れれば試合に勝てる......」 
 
 日本は団体初戦のポーランドに3--2で勝利し、続く準々決勝はロンドン五輪で敗れた因縁を持つ香港を3−1で退け、準決勝に進出した。相手は長年のライバルのドイツ。第1試合、吉村が敗れるも、第2試合で水谷がストレート勝ちを収める。

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