【ハンドボール】リオ五輪に向けて、「おりひめジャパン」いざ出陣! (3ページ目)
徐々に力をつけた、おりひめジャパン。栗山監督は言う。
「就任以来およそ3年半、見据えていたのは、この予選だけ。ここだけです」
では打倒・韓国に向け、キープレーヤーになるのは誰か?
「ひとりじゃ打開できない局面を、グループで、チームで打開していくのが日本の特徴です。だから、キープレーヤーがぼやければぼやけるほど、いいのかなと思います。ただ、私に小ささが武器になると確信させてくれたのは、横嶋かおる(北國銀行)であり、石立真悠子(フェヘールバール/ハンガリー.)です。彼女たちが日本の戦術のベースを作ります。他には、原希美(三重バイオレットアイリス)や、松村杏里(広島メイプルレッズ)ら若手が、ガンガン相手ディフェンスの間を割っていったら面白いなと思います」。そして、こう続けた。
「世界のトップゾーンにいる韓国に勝つということは、五輪でも上位を賑わすことができるということです」
左から藤井紫緒、田中美音子、横嶋かおる、松村杏里。 それぞれ熱い思いを胸に大会を迎える
栗山雅倫監督に「日本の小ささが武器になる」と確信させた横嶋のポジションは、本来なら大柄な選手が務めるピヴォットプレーヤー(ポストプレーヤー)。身長161センチしかない横嶋は、高さを走力でカバーする。通常1試合、選手は6〜7キロ走るとされるハンドボールで、彼女は1試合で10キロを走り切る。
「日本の武器は機動力なので、とにかく走らないと。止まっていたら身長が低い私は、オフェンスもディフェンスも通用しない。ホントは走るの嫌いなんですけどね(笑)。でも勝つために、チームのために走ります」
4年前、横嶋は大きな挫折を経験している。ロンドン五輪予選直前、彼女は代表メンバーから漏れ、さらにその後、アキレス腱断裂という重傷を負う。一時は引退すら頭をよぎるも、彼女は踏みとどまった。
3 / 5