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シーズン開幕。NFL記録を狙う「ディファレンス・メイカー」たち

  • 永塚和志●取材・文 text by Kaz Nagatsuka  photo by AFLO

 2015年シーズンのNFLがいよいよ幕を開ける。今シーズンも例年に違(たが)わず混戦が予想されているが、最後に栄冠を掴めるかどうかのカギを握っているのは、特別な能力・才能を持つ「ディファレンス・メイカー(違いを生む選手)」の存在ではないだろうか。

次世代を担うQBのひとり、インディアナポリス・コルツのアンドリュー・ラック次世代を担うQBのひとり、インディアナポリス・コルツのアンドリュー・ラック 他の選手と一線を画するディファレンス・メイカーたちは、「究極のチームスポーツ」と呼ばれるアメリカンフットボールの世界でも、勝負を分ける重要な「個」として注目度は高い。今シーズン、注目されている「ディファレンス・メイカー」を紹介しよう。

 まず、最初に名を挙げねばならないのは、グリーンベイ・パッカーズでQB(クォーターバック)を務めるアーロン・ロジャースだろう。パス攻撃全盛の時代になって数年が経ち、スーパーボウル王者に4度輝いたトム・ブレイディ(ニューイングランド・ペイトリオッツ)や、シーズンMVP通算5度受賞のペイトン・マニング(デンバー・ブロンコス)など、錚々たるメンツがひしめき合うポジションだが、QBとしてのトータル能力においてロジャースが最高の選手であることは、ほとんど疑いの余地がない。

 強肩、パスの正確さ、パスラッシュをかいくぐる機動力、そして冷静さ......。ロジャースはQBに必要な要素をすべて兼ね備えている。そのなかでも特筆すべきは、リリースの速さだろう。パスターゲットにロックオンするやいなや、小さなモーションからすかさず鋭いパスを投げ込む技術は、NFLで最も優れた武器とさえ言われている。

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