【NFL】今年のトレンドは「走るQB」。開幕する新シーズンの主役は誰だ?
現地9月5日、2013年のNFLシーズンがついに幕を開ける。アメリカメディアの戦力分析を見てみると、今年の優勝争いは例年以上に混戦となりそうだ。特徴的なのは、メディアの多くが昨シーズンのNFL王者、ボルチモア・レイブンズ(AFC北地区)の苦戦を報じている点だろう。LBレイ・ルイス引退の影響だけでなく、2004年に最優秀守備選手賞に輝いたセーフティのエド・リードがヒューストン・テキサンズに移籍したことも、レイブンズの連覇に黄信号を灯している要因と言える。
昨シーズン、サンフランシスコ・49ersをスーパーボウルまで導いたQBコリン・キャパニック(右) 一方、毎年優勝候補に挙がる「常勝軍団」ニューイングランド・ペイトリオッツ(AFC東地区)も、磐石の態勢とは言いがたい。ビル・ベリチックHCの采配と、QBトム・ブレイディの卓越したプレイがあれば、今年もレギュラーシーズン(全16試合)でふたケタ勝利は稼ぐだろうと予想されている。しかし、自慢のハイパーオフェンスを支えてきたTEアーロン・ヘルナンデスが殺人容疑で逮捕され、チームから突然離脱することになった。その結果、リーグ屈指の攻撃力が大幅にダウンするのは免(まぬか)れない、というのが大方の見方である。
※LB=ラインバッカー、QB=クォーターバック、TE=タイトエンド。
アメリカで最も権威のあるNFL記者として知られる『スポーツ・イラストレイテッド』誌のピーター・キングは、「AFCからはペイトリオッツ、そしてNFCからは西地区のシアトル・シーホークスがスーパーボウルに進出する」と予想。そしてNFLの頂点には、「ペイトリオッツが輝くだろう」と語っている。一方、かつてオークランド・レイダースを率いてスーパーボウルを制覇し、解説者として人気の高いジョン・マッデンは、「今年のスーパーボウルは、AFC西地区のブロンコス対NFC西地区の49ers」との見解を示した。その理由は、それぞれ攻守にタレントを揃え、各ポジションに的確な補強をしたこと。「ブロンコスと49ersの総合力を見れば、実にイージーな選択だ」と述べている。
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