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河村勇輝がGリーグで勝利に貢献 ハッスルヘッドコーチが明かすオフコートでの河村の素顔

  • 杉浦大介●取材・文 text by Sugiura Daisuke

Gリーグではより持ち味を発揮している河村 photo by Getty ImagesGリーグではより持ち味を発揮している河村 photo by Getty Images

河村勇輝がプレーするハッスルHCインタビュー 後編

前編〉〉〉ハッスルHCが語る河村勇輝が歩むべき今季の青写真

 メンフィス・グリズリーズの河村勇輝にとって、Gリーグチームの指揮を執るTC・スワースキーヘッドコーチ(HC=監督)は重要な存在となっていくのかもしれない。

 河村がメンフィス・グリズリーズと結んだ2Way(ツーウェイ)契約とはGリーグの所属選手ながら、一定期間NBAにも出場できるもの。今後はGリーグのメンフィス・ハッスルで過ごす時間が増えることが予想され、スワースキーHCの下でどれだけ向上できるかが見どころになる。

 スワースキーHC は、10年前の2014-15シーズン、ポートランド・トレイルブレイザーズのインターンとしてこの世界に。ポートランドで5年間を過ごすと、その後はグリズリーズのヘッド・ビデオコーディネーター、ハッスルのアシスタントコーチとして経験を積んできた。もともと父親がシカゴ・ブルズのラジオ実況アナウンサーだったという背景もあり、この業界を熟知していることも心強い。

「幼少期からNBA選手たちと馴染みだったのは幸運なことで、今の私のキャリアを助けていると思う。何事も当たり前のことだとは考えない。無料でもやりたいと感じるほど、この仕事を気に入っている。多くの人々の支えに恵まれてきたのは幸運だったし、今後、私も同じようにNBAを目指す選手たちを助けていきたい」

 そう意気込みを語るスワースキーHCに、インタビュー後半では主に河村のオフコートでの姿を中心に語ってもらった。コミュニケーション能力に秀でた河村は、出会ったばかりの指揮官にもすでに強烈な印象を残しているようである。

*以下、スワースキーHCの一人語り

【ユウキのエナジーは伝染性】

 ハッスルのHCとして1年目の今シーズン、私は選手育成に力を入れていきたい。一人ひとりを向上させたいし、同時にメンバーの間にケミストリーを生み出し、チーム力をアップさせたい。チーム練習、個人練習、ゲームのすべてが育成のための場になる。もちろん多くのゲームに勝てればそれに越したことはないが、とにかく選手たちが上達するのが最も大事なことだ。そして、実力とキャラクター(気質)を備えたユウキは、そんなチーム内でも重要な選手であり続けるのだろう。

 ユウキに関して真っ先に思うのは、彼のエナジーは伝染性だということだ。ユウキがドアを開けて部屋に入ってくると、みんなが彼の方に目をやり、近くに来て、接しようとする。ユウキの周囲のみんなが、笑顔を浮かべる。彼には人間的な魅力があり、誰もがそれに引き寄せられるように感じるくらいだ。

 アメリカで暮らすのはこれが初めてなのにもかかわらず、英会話は急速に向上している。言葉を勉強し、チームメイトに馴染み、異国のさまざまな料理も試そうとしている。ホテルにこもり、日本の友人たちとばかり接していたければ、それは簡単なことなのだろう。しかし彼はそうはせず、チームメイト、アメリカの新しいカルチャーを学ぶことに尽力し、メンフィスのすべてを知ろうと試みている。本当に賢明だと感心させられるよ。

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著者プロフィール

  • 杉浦大介

    杉浦大介 (すぎうら・だいすけ)

    すぎうら・だいすけ 東京都生まれ。高校球児からアマチュアボクサーを経て大学卒業と同時に渡米。ニューヨークでフリーライターになる。現在はNBA、MLB、NFL、ボクシングなどを中心に精力的に取材活動を行なう

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