バスケ日本代表の「ニューカマー」注目は204cmの高校生ビッグマン ダイブも3Pもできる期待の原石 (3ページ目)
【激しい椅子の争奪戦が再び始まった】
代表ニューカマーでいえば、昨シーズンのポストシーズンMVPで3Pを速射できる広島ドラゴンフライズの山崎稜(やまざき・りょう/SG/32歳)や、今シーズンは新天地で45.7%と高確率の3Pを決めている長崎の山口颯斗(やまぐち・はやと/SF/26歳)なども興味深い。
もっとも、現段階でこうした選手たちがどこまで生き残っていけるかは、材料が少なくわからない。体制「1期目」のように、ホーバスHCは今後もタイプの異なるさまざまな選手を招集しながら、彼のゲームに適した選手を探し続けていくと予想される。
「代表は何回も呼んでもらえる場ではないと思っています。少ないチャンスをどれだけ自分のものにできるか。短い期間ではありますが、トムさんがやりたいバスケットボールを早く理解して、そのなかで周りとコミュニケーションを取れるかが大事になってきます。いただいたチャンスをしっかりと自分でつかんで、目指している場所に立ちたいと思います」
昨季のBリーグでの活躍が認められて招集された中村拓人(広島)には、代表候補になっただけで浮ついたところはまったくなかった。ほかの多くの新顔たちも、それは同様であろう。
現状、八村や河村勇輝(メンフィス・グリズリーズ)のような特別な才能の不在を穴埋めできる選手がすぐに現れるわけではないことは、言うまでもない。だが、それを言っていても始まらない。選ばれた選手たちは、少ない椅子を激しく争っていかねばならない。
競争を通じて選手を鍛え上げるホーバスHCの「2期目」が、正式に始まった。
著者プロフィール
永塚和志 (ながつか・かずし)
スポーツライター。前英字紙ジャパンタイムズスポーツ記者。
Bリーグ、男女日本代表を主にカバーし、2006年世界選手権、 2019W杯等国際大会、また米NCAAトーナメントも取材。 他競技ではWBCやNFLスーパーボウル等の国際大会の取材経験 もある。著書に「''近代フットボールの父'' チャック・ミルズが紡いだ糸」(ベースボール・マガジン社) があり、東京五輪で日本女子バスケ代表を銀メダルに導いたトム・ ホーバスHC著「ウイニングメンタリティー コーチングとは信じること」、川崎ブレイブサンダース・ 篠山竜青選手 著「日々、努力。」(ともにベースボール・マガジン社) 等の取材構成にも関わっている。
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