バスケ日本代表入りの戦いに挑む原修太の決意 パリ五輪へ「自分の色をもっと出したい」

  • 取材・文●永塚和志 text by Nagatsuka Kaz
  • 写真●村上庄吾 photos by Murakami Shogo

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原修太インタビュー前編

 2022-23シーズンのBリーグでは所属する千葉ジェッツの史上最高勝率達成に貢献し、自身もベスト5とベストディフェンダー賞に輝いた。昨夏のFIBA男子ワールドカップ2023では日本代表の一員としてチームのパリ五輪出場権獲得に貢献。この1〜2年は、原修太のバスケットボール人生のなかで最高の時になったと言っても過言ではないだろう。

 FIBAアジアカップ予選Window1(2月22日にグアムと、2月25日に中国と東京・有明コロシアムで対戦)へ向けての22名の候補者合宿にも選出され、パリ五輪も視野に入れていくことになる。

【ワールドカップ後の意識の変化】

――昨夏のワールドカップでは、日本代表の躍進でバスケットボールが国内で人気を一気に上げました。原選手も代表の一員だったわけですが、大会後は、例えば街中で気づかれることが増えたなど、変化はありましたか?

「そういうことも増えましたが、そこまで言うほどではないですし、(千葉から)東京に出ると全然、普通に行動できます。ただ、別の業界の方とご飯に行く時にバスケをやっていますっていうことを伝えると、以前までなら『聞いたことがある』くらいだったのが『あ、ワールドカップですごかったよね』『見たよ』などと言っていただけるようになってきたので、そこは変化を感じます」

――日本代表として国を背負ったからには、ちゃんとプレーしなければといった意識はありますか?

「昨シーズンはジェッツで結果を残していましたが、2月の日本代表招集があった時には呼ばれず、その時は『しょうがないか』『選ばれたらラッキーだったかな』くらいにしか思っていませんでした。ただ、今は1回、世界を経験して、日本代表のチームとして成績を残せたけど自分のなかでは課題や通用しなかった部分もあった。もう1回、世界でリベンジしたいという思いが強くなっているので、代表への思いは明らかにこの1年で変わりました」

――ワールドカップ本戦では、開幕のドイツ戦とその次のフィンランド戦ではジェッツのチームメイトでもある富樫勇樹選手とともに先発としてコートに立ちました。アジア予選では招集されず、本戦直前の強化試合でも先発はアンゴラ戦での1試合だけ。ご自身としても驚かれたのでは?

「合宿中から(渡邊)雄太(NBAメンフィス・グリズリーズ)とジョシュ(・ホーキンソン/サンロッカーズ渋谷)たちのコンディションが整わず、(大会前に)全員が揃ったことがほぼありませんでした。

 それで、アンゴラとの強化試合後の練習でドイツ対策をしていくなかで、雄太とジョシュと出ることがあったので、もしかしたら、とは思ってはいたんですけど、『ああ、僕なんだ』というのは正直ありました」

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