渡邊雄太のように日本バスケ界の至宝となるか 金近廉(20歳)と川島悠翔(18歳)の成長がすごい (2ページ目)

  • 永塚和志●取材・文 text by Kaz Nagatsuka

【衝撃的なデビューから一転して代表落選の挫折】

 ワールドカップなどのレベルにはまだ達していないと、若き196cmのスモールフォワードは話していたが、それでも同大会前の合宿に招集されて、直前までメンバーに残った。

 金近がメンバーから外れたことについて、トム・ホーバスHC(ヘッドコーチ)は「ギリギリだった」と話した。

「ギリギリ」とは「惜しかった」という意味に違いないが、一方でホーバスHCは金近本人に「もっとできる選手だと思っている」と落選時に伝えている。もちろんそれは、金近の才が大きいからこその言葉だったはずだ。

 昨年2月に行なわれたワールドカップ・アジア地区予選でA代表初出場を果たした金近は、イランとの試合でいきなり6本の3Pシュートを決めるなど、計20得点の衝撃的なデビューを飾った。しかし、ワールドカップ直前の強化試合では、なかなか数字を残すことができなかった。

「あの期間は思うようにプレーができなくて、3Pの確率もあまりよくなかった。うまく修正できませんでした。それでもトムさんがそういう評価をしてくれたので、救われたというか、もう1回がんばろうという気持ちになれました」(金近)

 今シーズンのBリーグでは39試合中37試合に出場(2月20日時点)し、最大の武器である3Pは39.4パーセントという高い確率を叩き出している。

 金近いわく「吉井(裕鷹/アルバルク東京)さんや馬場(雄大/長崎ヴェルカ)さんのように、ペイントの中でディフェンスでもオフェンスでも戦えるような」幅の広いプレーができるようになることで、パリオリンピックの代表選手となれる可能性も大きくなってくるだろう。

 一方、もうひとりの逸材ではある川島は、金近よりも2歳年下で、もちろん経験も浅い。しかし、才能・伸びしろという点では、金近を凌駕する逸材と言っていい。

「前回よりも、もうちょっと自分をアピールできているのかなと思います」

 代表合宿時にそう話す川島の声は、以前ならばもっと細かったはずだと思ったが、今はそのようなことはなく太くなった。こちらも自信の現れなのだろう。

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