河村勇輝が渡邊雄太からもらった「すごく参考になる」アドバイス 将来の海外挑戦は「成長のためどこへ行くのが一番か考えて選択したい」 (4ページ目)
── 河村選手は常々「バスケットボールをメジャーな競技にしたい」と口にしています。ワールドカップを通じて競技人気は上昇しましたが、今の状況をどう感じていますか?
「島田慎二チェアマンも伝えていますが、『BリーグをNBAに次ぐ世界のリーグにする』という大きな目標を掲げているのであれば、現状に満足してはいけないです。多くのファンの方々に会場に来てもらわないと、世界2番目のリーグになるのは難しいでしょうから。特に日本は島国なので、ヨーロッパのように周囲の国々から集まりやすいリーグではないですし。
だからこそ今に満足せず、もっともっと、日本全国、誰しもがBリーグを見に行くような環境にならないと、掲げている目標は達成できない。今回のワールドカップや映画『スラムダンク』など、いろんな影響で少しずつバスケファンは増えているとは思います。だけどやっぱり、(盛り上がった直後の)次の年が真価を問われるシーズンになるんじゃないかと。
また、今年はパリオリンピックという大きな機会があるので、そこで日本代表が大きな結果を残すことができれば、バスケットボールが国民の「生活の一部」になるんじゃないかなと密かに期待していて......。だからこそパリオリンピックは、絶対にいい結果を残したいと思っています」
<了>
【profile】
河村勇輝(かわむら・ゆうき)
2001年5月2日生まれ、山口県柳井市出身。柳井中時代に全中ベスト16となり、福岡第一高ではウインターカップ2連覇を含める全国大会のタイトルを4度獲得する。高校3年時の2020年1月に特別指定選手として三遠ネオフェニックスに加入し、当時のB1史上最年少出場記録(18歳8カ月23日)を更新。2020年4月から東海大に進学するも2022年3月に中退。大学在学時から特別指定選手としてプレーしていた横浜ビー・コルセアーズとプロ契約を結ぶ。2022-23シーズンはBリーグMVPや新人賞を受賞。2022年7月にA代表デビューを果たし、2023年のFIBAバスケワールドカップでは司令塔として日本代表のパリ五輪出場権獲得に貢献した。ポジション=ポイントガード。身長172cm、体重72kg。
著者プロフィール
永塚和志 (ながつか・かずし)
スポーツライター。前英字紙ジャパンタイムズスポーツ記者。
Bリーグ、男女日本代表を主にカバーし、2006年世界選手権、 2019W杯等国際大会、また米NCAAトーナメントも取材。 他競技ではWBCやNFLスーパーボウル等の国際大会の取材経験 もある。著書に「''近代フットボールの父'' チャック・ミルズが紡いだ糸」(ベースボール・マガジン社) があり、東京五輪で日本女子バスケ代表を銀メダルに導いたトム・ ホーバスHC著「ウイニングメンタリティー コーチングとは信じること」、川崎ブレイブサンダース・ 篠山竜青選手 著「日々、努力。」(ともにベースボール・マガジン社) 等の取材構成にも関わっている。
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