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「河村2世を探せ!」高校バスケの集大成ウインターカップで見ておくべき4人の逸材たち (2ページ目)

  • 三上 太●取材・文 text by Mikami Futoshi

榎木璃旺(福岡大学附属大濠・1年)photo by Mikami Futoshi榎木璃旺(福岡大学附属大濠・1年)photo by Mikami Futoshi 次に紹介するのは、その福岡第一をウインターカップ福岡県予選の決勝戦で破って福岡県1位として本大会に出場する福岡大学附属大濠の司令塔、榎木璃旺(えのき・りお/1年)だ。

 榎木も崎濱と同じく、フィジカルの強さが強み。並みの1年生であれば上級生とのコンタクトで引けを取ってしまうが、彼にはそれがない。だからこそ、自らの持つスキルを多少のプレッシャーを受けた状態でも的確に繰り出すことができる。何より強いパスを出せるところは、ポイントガードとしての魅力のひとつでもある。

 加えて、チームを率いる片峯聡太コーチは「強靭なメンタル、大舞台であっても精神的なムラがなくプレーできるところがすばらしい」と太鼓判を押す。

 今夏のインターハイは県予選で敗れたため、全国の舞台を経験できていない。ウインターカップは、そのヴェールを脱ぐ初お披露目の場でもある。

 河村もまた、1年生の夏こそ主力ではなかったが、同じ年のウインターカップでスタメンの座を勝ち取り、大会ベスト4まで勝ち上がっている。身長も河村の172cmに対し、榎木は170cm。同じ小兵タイプのポイントガードとして、福岡大学附属大濠を2年ぶりの優勝に導けるか。ルーキーガードの挑戦が始まる。

瀬川琉久(東山・2年)photo by Mikami Futoshi瀬川琉久(東山・2年)photo by Mikami Futoshi そして現在「世代ナンバーワン」との呼び声が高いのは、今夏のインターハイで決勝戦まで勝ち進んだ東山(京都)の瀬川琉久(せがわ・りく/2年)である。

 オフェンシブなバスケットを標榜する東山にあって、さらに超攻撃的なプレーでチームを牽引。身長も184cmと大きく、それでいてクイックネス、パワー、スキルにも長けている。

 ディフェンスとの間にズレをつくる戦術「ピック&ロール」で判断よく攻めるプレーは、まさに世代ナンバーワン。スペースがあれば一気にリングまで加速し、ディフェンスが下がればジャンプシュート。シンプルだが、これほど厄介な選手はいない。

 中学時代は神戸のクラブチームで、ウインターカップの中学版ともいうべき「ジュニアウインターカップ」で優勝している。当時は強すぎるがゆえに負けることを知らなかったが、東山でその悔しさを知ったことで、より勝利への意欲が高まっている。精度が低かった3ポイントシュートも東山で磨きをかけ、さらにプレーの幅を広げ続けている。

 コート上で見ると3年生のような堂々とした振る舞いだが、まだ2年生。河村のプレー動画を見ながら研究しているという瀬川が、自身初となるウインターカップをさらなる飛躍の場にするはずだ。

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