河村勇輝がW杯で学んだ「海外に行くうえで必要」なこと 日本バスケは世界基準に (3ページ目)
【海外リーグでのプレーも見据える河村勇輝】
ワールドカップメンバーのなかで最も顕著な成長を見せた代表格は、22歳の河村だろう。得点が大きく伸びたことは先述のとおりだが、それ以上に選手としてのすごみが今季はより色濃くなり、日本バスケットボール界を背負う覚悟がより鮮明になっている。
世界の舞台で強敵と対峙した経験を経て、河村は「余裕を持ってプレーできるようになってきた」とする一方、自身にはまだまだ伸びしろがあり、それを埋めていく作業に努めていくと強調する。
「ワールドカップを経て、世界で通用するためのプレーをやっていきたいと思っています。どんな環境でも成長はできると思っていますが、環境よりも自分の意思や考え方といったところが大切かなと思っています」
河村の最大の長所は元来、スピードを活かしてリングへ突進するドライブインだ。それに関しても、日本代表での活動を経て「幅」を広げているという。
ホーバスHCが日本代表で謳ってきたキーワードのひとつに「ヒットファースト」がある。日本代表の選手たちが攻守においてプレーする寸前、先に体を当てることで相手の体格の利を活かさせないようにし、プレーのイニシアチブを取る手段と言えばいいだろうか。
河村は公言しているとおり「海外リーグでのプレー」も見据えて、フィジカルにプレーすることも意識的に努めている。
「リーグ戦が60試合あり、なかなか本気で5対5の練習ができないので、試合では自分の成長につながるようにスピードだけでなく、ヒットファーストでもしっかりとコンタクトをしていきたい。1対1の能力は海外に行くうえで今後も必要になってくると思うので、リーグ戦のなかでやっていければいいなと思います」
横浜BCの青木勇人HCも、ワールドカップを通して河村の「スケールが大きくなっている」と認める。具体的には「スピードを落とさずにフィジカル(の強さ)をつけて帰ってきた」という。
SR渋谷の元日本代表PGベンドラメ礼生は、河村が以前にもまして「すごみ」のある選手になっていると打ち明けた。チームの司令塔という面が強かった昨季までの河村とはまた違った選手となって、今は「自信がついて怖さがある」と語った。
「(マッチアップをしていて)やられてしまうプレッシャーがあって......ディフェンスをしていても正直、止められる気はしないです」(ベンドラメ)
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