篠山竜青×香西宏昭の同級生バスケ対談 日本代表は「ホーバス体制でこれから日本人のよさ、武器を見つけていく段階」 (4ページ目)
――世界で闘う上で、日本人ならではの強みって何だと思いますか?
香西 車いすバスケはフィジカルや技術もありますが、東京パラでやはり「粘り強さ」だと思いました。苦しい時間帯も自分たちのプレーを粘り強く続けることで相手が折れる、そこが東京では勝負を分けたんだと思います。
篠山 僕ら日本人は、高さがないからスピードで、外のシュートってずっと言われてきて、自分たちもそれが武器だと思い込んでいたんです。でも世界の舞台に上がってみたら、僕らより大きい選手が、僕らより速くて、外のシュートが入る......それを叩き込まれたのが前回のワールドカップでした。僕らのほうはやっと世界の舞台の端っこに立ったところ。ホーバス体制でこれから日本人のよさ、武器を見つけていく段階なのかなって思います。
香西 車いすバスケもここまでくるには20年以上の時間がかかっているしね。
篠山 車いすでは、宏昭がアメリカの大学リーグや欧州リーグにチャレンジして、先駆者となって日本を引っ張り上げた。僕らのほうでもようやく渡邊雄太選手と八村塁選手のようにNBAで活躍する選手が出てきた。これが続いていけば日本は強くなっていきますよ。
――ありがとうございました。週刊ヤングジャンプ39号(8月24日発売)より、『リアル』が連載再開となります。
篠山 待ちわびていました。野宮が再始動するところで、その続きが読めないのが苦しくて...。僕、野宮に教えたいことがいっぱいあるんです。プロとして活躍できる選手に育てますから、僕に指導させてもらえませんかね(笑)。井上先生、よろしくお願いします!
香西 単行本の『Another REAL』でも書いてもらいましたけど、『リアル』が始まったのと、及川晋平さん(前日本代表HC)が、日本を強くするための活動を始めたのが同じくらい。日本代表は20年以上を『リアル』とともに歩んできたんです。晋平さんは、「銀メダルを獲って、俺たちが追い越した」って言ってますけど(笑)。これからも僕たち車いすバスケと『リアル』は一緒に進んでいきたいなと思います。戸川、野宮、高橋、それぞれのバスケ人生がどうなるのか、すごく楽しみです。
プロフィール
篠山竜青(しのやま りゅうせい)
1988年7月20日生まれ。神奈川県出身。178cm75kg。北陸高から日本大学を経て2011年東芝ブレイブサンダースに加入(現・Bリーグ川崎)。2017年のW杯アジア地区予選・全Windowにおいて日本代表に選出され全試合に出場。Window2以降、2019年W杯まで代表キャプテンを務めた。ポジションはPG。昨シーズンはPPG(平均得点数)4.6点、RPG(平均リバウンド数)1.1、APG(平均アシスト数)2.6本。
香西宏昭(こうざい ひろあき)
1988年7月14日生まれ。千葉県出身。NO EXCUSE所属。小6で車いすバスケを始める。高校生の時に千葉ホークスの中心選手として日本選手権で優勝し、卒業後に渡米。イリノイ大学では2年連続全米大学リーグシーズンMVPを受賞。卒業後はドイツでプロ選手のキャリアを重ね、2021-22年シーズンは、名門・ランディルでドイツリーグ優勝。パラリンピックは4大会連続出場。東京大会は3ポイント成功数、成功率共に1位で銀メダル獲得に貢献。現在は拠点を日本に移して活動している。
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