篠山竜青×香西宏昭の同級生バスケ対談 日本代表は「ホーバス体制でこれから日本人のよさ、武器を見つけていく段階」 (2ページ目)
【お互いにリスペクト】
――おふたりは、それぞれのプレーをどのように見ていますか?
香西 ドイツリーグに行っていたので、日本のバスケを観戦する機会は少なかったけど、竜青を最初にインプットしたのは、2018年6月に千葉で開催されたW杯予選。交代で入ってきて、バチバチでディフェンス。そこから流れを持って行ってターンオーバーから速攻でシュート!
篠山 オーストラリア戦ね。
香西 竜青を意識して観察すると、何手先も変化を読んで試合を組み立ててることがわかって、「ヤベえ、この人!」って驚いたんだよ。
篠山 僕は身長も高くないし、身体能力も突出したものがないから、頭を使ってバスケをするしか道がなかった。司令塔として、一つひとつのプレーの意図を追求していくことが、自分のバスケの基礎になっているんだよね。
香西 そういうところはとても参考にしてる。あと、プレーが熱いところはチームにエネルギーを与える選手だなと思う。
篠山 面と向かってホメられると恥ずかしい(笑)。僕が宏昭のプレーを観たのは、リオパラリンピック予選(2015年)の韓国戦。ひとりだけ異次元な、オシャレなプレーをしているなって思った。
香西 オシャレって何(笑)?
篠山 車いすバスケって速い選手は前のめりで相手に向かっていったり、ゴール下では車いす同士がぶつかったりっていうハードなイメージがあったんだけど、宏昭だけは上半身の力が抜けていて、スイ~ンっていく感じ。
香西 サボってるみたい?
篠山 いや、余裕があるなって。俯瞰でコートを見ているような感じでノールックとか、ワンハンドで「そこ!?」ってところにパスが出せる。ひとつの動きにいちいちフェイクがかまされているのが、またオシャレ!
香西 実際はゼーゼーしながらゲームの流れにやっとついていってるんだけどね。
篠山 それにしても東京パラの宏昭のプレーはエグかった!
香西 あんなにシュートが入るのは自分でも見たことがない(笑)。
篠山 大会期間中もずっとLINEしていたけど、言葉の端々から、絶対に勝ちたいんだっていう宏昭の気持ちをすごく感じたよ。
香西 チームの雰囲気もとてもよかったからね。
篠山 チームがゾーンに入っているなって雰囲気があった。試合を重ねて、自信や勝ちグセがついて覚醒したんだよ。赤石竜我選手(埼玉ライオンズ)をはじめ、若い選手たちの表情とパフォーマンスが、初戦と決勝ではまったく違っていたから。
香西 そうだね。一緒にやっていてどんどん頼もしくなっていったよ。
篠山 本当に東京パラの銀メダル獲得にはメチャメチャ感動をもらった。世界のレベルでフィジカルが絶対的な弱点なのは、日本のバスケ界共通の課題。それを乗り越えて獲った銀メダルは日本にとって大きな自信になると思ったよ。
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