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男子バスケW杯で日本は厳しいグループに 「近年、世界大会で全敗中」の日本はサッカー、野球のように前評判を覆せるか (4ページ目)

  • 永塚和志●取材・文 text by Kaz Nagatsuka
  • photo by AP/AFLO

【世界で結果を残せるか】

 32チームが参加するW杯。1次ラウンドの上位2チームが進出し、2次ラウンドの各組2チームが決勝ラウンドに駒を進める。

 今大会、アジア勢最上位で終わると、来年のパリオリンピックへの切符が手に入る。その意味では得失点差などがそこに絡んでくる可能性もあり、日本はどのような試合展開になろうとも、全力でのプレーが求められる。

 2019年のW杯では0勝5敗、その2年後の東京オリンピックでは0勝3敗と、日本は近年の世界大会で立て続けに全敗を喫している。しかし、大舞台での格上との対戦に萎縮していた2019年から、東京オリンピックではその部分で成長があった。今回はさらに自分たちの実力に近いパフォーマンスが見られるのではないか。

 ホーバスHCは、自軍の選手たちには誰が相手だろうと自分たちのプレーを貫きとおしてほしいとメッセージを送る。

「相手がドンチッチでも『どうしよう』となるんじゃなく、バスケットはバスケット。相手の国も、彼らのユニフォームのうしろの名前も関係ない。うちのバスケットをやりたい。

 この間のWBC(の決勝・アメリカ戦前)での大谷翔平選手のメッセージが最高でした。相手にいい選手が集まっているのはわかっているけどこの試合のなかでは忘れてください、と。そういうメッセージは私もいつも言っています」

 昨年のFIFA男子サッカーW杯では大会前、厳しい組に入ったことで期待感が大きくなかったところから日本はドイツ、スペインという強豪国を撃破し、世界を驚かせた。3月のワールド・ベースボール・クラシック(WBC)でもアメリカなどメジャーリーグ所属選手が大半を占める国々には勝てないのではという声のなか、最後は劇的な形で通算3度目の優勝を遂げた。

 身長が問われるバスケットボールで日本が世界を相手に勝つのは無理だという声は、つねにあった。が、八村や渡邊といったNBA選手が活躍し、ホーバス氏というオリンピックで結果を出した指揮官が、世界と伍して戦うために速いテンポと3Pを武器としてサイズの不利を反対に利したスタイル構築に務め、チームは徐々に手応えを深めてきた。

 日本はこれまで世界大会で苦杯をなめ続けてきた。今年のバスケットボールW杯では、その壁を破り世界を驚かせるパフォーマンスを日本のファンは待っている。

※所属は2022-23シーズンのもの

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