レブロン、デービスがよくても「リーグ最大の期待外れ」。レイカーズ低迷の要因はどこにあるのか (4ページ目)

  • 杉浦大介●文 text by Sugiura Daisuke
  • photo by AP Photo/Alex Gallardo

【誰がウェストブルックを望んだのか】

 ウェストブルックはおそらく、現時点でシックスマンの役割がベストだが、今季年俸4000万ドル以上の選手にそんな起用法を納得させるのも難しい。総合的に、今のレイカーズにとって、ウェスタン・カンファレンスの「2強」と目されるフェニックス・サンズ、ゴールデンステイト・ウォリアーズを撃破することは「至難の業だ」と言わざるを得ない。

「このチームになぜウェストブルックを加えようとしたのか、そのアイディアがどこから出てきたのかはわからない。(補強策に)レブロンも一枚噛んでいるのかもしれないが、そうだったとすれば、あれほどバスケットボールIQの高い選手がなぜそう考えたのか、どうしても解せない」

 1月下旬、イースタン・カンファレンスの某チームのスカウトが残したそんな言葉に、多くのファンが頷くのではないか。結局のところ、昨夏にレイカーズがまとめたひとつの大型トレードに話は戻るのだ。

 あそこでウェストブルックではなく、同じくトレードの噂があり、よりレイカーズにフィットすると見られていたバディ・ヒールド(サクラメント・キングス)を獲得していたら? それほど大がかりな改革に臨むのではなく、カルーソ、KCPを残して従来どおりのチーム作りをしていたら?

 常にスーパースターを中心に動くNBAでは、主力選手がチームの補強策に発言権を持つことは珍しいことではない。だとすれば、もともとこのトレードを望んだのはレブロンだったのか。あるいはチームフロントの意思か。

 その答えはわからないが、真相はどうあれ、このままいけばウェストブルックを獲得した移籍劇は「チームの混乱を誘発した動き」として語られていく可能性は高そうだ。

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