レブロン、デービスがよくても「リーグ最大の期待外れ」。レイカーズ低迷の要因はどこにあるのか (2ページ目)

  • 杉浦大介●文 text by Sugiura Daisuke
  • photo by AP Photo/Alex Gallardo

【すべての懸念材料が現実に】

 ロースターには37歳のレブロン、32歳のウェストブルック、37歳のカーメロ・アンソニー、35歳のドワイト・ハワード、33歳のディアンドレ・ジョーダン、36歳のトレバー・アリーザといったベテランが並び、主力で20代前半なのはテイレン・ホルトン・タッカーくらいと高齢化が顕著だ。

 また、2年前にファイナル制覇を果たした際には固いディフェンスが強さの根幹だったにもかかわらず、アレックス・カルーソ、ケンテイビアス・コールドウェル・ポープ(以下、KCP)といった守備の能力が高いロールプレーヤーたちを残留させなかったことも意外だった。

 何より、昨オフ、すでにキャリアの"下り坂"に差しかかったウェストブルックを獲得したトレード(※)は、チーム内外で論議を呼び続けてきた。

(※)カイル・クーズマら3選手と2021年ドラフト1巡目22位の指名権を放出し、ウィザーズからウェストブルックとドラフト2巡目指名権(2024年、28年)を獲得。

 ボール独占傾向のあるウェストブルックは、レイカーズでは絶対的な存在のレブロンとフィットしないのではないか。昨季最後の6週間は平均23.0得点、14.0アシスト、13.5リバウンドと爆発的な数字を残したとはいえ、体力的にも下り坂の選手を、チームに必要なディフェンダー、シューターたち、さらにドラフト1巡目指名権を手放してまで獲りにいく必要が本当にあったのか。

 蓋を開けてみれば、案の定、今季は囁かれていたすべての懸念材料が悪いほうに出ている印象がある。加齢ゆえにチーム全体がスローになり、ディフェンシブレイティングではリーグ16位と守備も停滞。ウェストブルックは平均ターンオーバーでリーグワースト2位と持ち味を発揮できておらず、攻守両面で強引なプレーばかりが目立っている。

 冒頭で「ビッグ3が揃えば」という話をしたが、実際には今シーズン、レブロン、デービス、ウェストブルックの3人が揃った16戦でも9勝7敗。今季の彼らのゲームを何戦か見れば、スペーシングに問題があり、ロースターのバランスが悪いのは誰の目にも明白だ。

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