「三井寿のセリフが痛いほどわかる」。Bリーグ最年長の五十嵐圭が語った『SLAM DUNK』の影響力 (4ページ目)

  • 水野光博●取材・文 text by Mizuno Mitsuhiro
  • photo by Murakami shogo

――選手の競技力向上の要因は何が大きいと思いますか?

「もちろんいろんな要素があると思いますが、多くの選手の"ああなりたい"、"こうなりたい"という憧れが積み重なって、たどり着いた今日なのかなと思います。その憧れが、『SLAM DUNK』であり田臥だった。そして日本人で初めて田臥がNBAのコートに立ち、さらに時代は流れ、今ではコートに立つだけじゃない、夢はNBAで活躍するというところまできましたからね」

――新シーズンでキャリア19年目に突入します。桜木が安西先生に「オヤジの栄光時代はいつだよ...全日本のときか? オレは今なんだよ!!」と言うシーンがありますが、五十嵐選手にとって栄光時代はいつでしょう?

「栄光時代や全盛期といったものは、周囲が決めることかなと。ただ自分では現役である以上、まだまだうまくなれる、もっと上にいけると思っています。どんな競技も経験がモノをいう部分、いくつになっても学べる部分があります。続ければ続けるほど奥が深い。若い頃は、スピードでは絶対に負けないと強気なプレーが信条で、ターンオーバーするたびに"もっと安全なプレーを選択するべき"という声も聞こえてきましたが、"これが五十嵐圭だ"とスタイルを変えようとは思いませんでした。

 ただ年齢を重ね、一つひとつのミスが経験となり、高校時代練習に参加させてもらえなかったことなどすべてが糧となって、今はPGとしていかに周りを使うか、チームのバランス、チームの勝利を最重視してプレーしています。これからさらに経験を積めば、また違うことができるのかなと思っています。今季から所属する群馬クレインサンダーズは、B2から上がってきたチームですが、B1経験、B1優勝経験のある選手が多い。Bリーグのレベルは急速に上がり簡単に上位進出できるほど甘くはありませんが、まずは優勝のための権利をつかむ、チャンピオンシップ出場を目標にシーズンを戦い抜こうと思います」

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