近くなったNBA。田臥勇太に「生まれるのが早かった?」と聞いてみた (3ページ目)
誰もが経験を積んで感じていくのかもしれませんが、たとえば高校生、大学生がプロで活躍できるのは、もちろん本人の努力があってこそ。同時に多くの人の協力、尽力があったからです。そんな部分にちょっとでも気づいて、大切にして、糧にして、日々を積み重ねていってくれたらうれしいなと思います」
八村塁、渡邊雄太と、NBAで日本人選手が活躍することも日常になりつつある。さらに、高校や大学からアメリカでプレーすることも、以前のように珍しいことではなくなった。
「生まれるのが少しだけ早かったとは思えないか?」という問いを「それはないですね」と田臥は笑い飛ばした。
「僕らの高校時代を見て、さらに上の年代の人たちは、うらやましかったと思ったはずです。今の選手が何十年後か、この時代に現役だったらと思えるような未来を作っていかないといけない。いつだって、あの時があるから今の世代がある。それが、時代の流れというものなのかなと思います」
◆奇跡の集結から29年。初代「ドリームチーム」12人たちの今(前編)>>
現在、宇都宮ブレックスは、東地区で首位をキープ。Bリーグ初年度に続くリーグ制覇を狙う。
「厳しい戦いが続きます。ただ、開幕当初から『1試合1試合を大事にする』ということは変わらない。ケガ人が出てしまうことも、調子にアップダウンがあることも、長いシーズンの中であります。そこをどう助けあってやっていけるかが大事。どんな状況になっても、全員で戦う。細かい部分を練習でしっかり意識しながらやっていきたいです。
個人としてはリーグ終盤戦、そしてチャンピオンシップにベストな状態までコンディションを上げられるかが、自分にとってのチャレンジです。そして何よりも、残りのシーズンをみんなとバスケを楽しみたいです」
2003年、マイケル・ジョーダンが引退したのが40歳だった。
いつか田臥にも、その日が必ず訪れることはわかっていても、永遠にこないでほしいと願ってしまう。
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