八村塁と渡邊雄太が奮闘。「本命不在」の東地区で抜け出すチームは?

  • 杉浦大介●文 text by Sugiura Daisuke
  • photo by AP/AFLO

NBA前半戦総括
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 現地時間2月10日のゲームを終えた時点で、イースタン・カンファレンスには勝ち越しチームは4つだけと、ハイレベルとは言い難い争いになっている。昨季、イースタンを制してファイナルに進んだマイアミ・ヒートも10勝14敗(11位)と苦戦中で、本命不在の戦いと言えそうだ。

八村塁(左)のウィザーズは東地区14位、渡邊雄太(右)のラプターズは同5位(2月11日現在)八村塁(左)のウィザーズは東地区14位、渡邊雄太(右)のラプターズは同5位(2月11日現在) そんな中で評価が高いのは、フィラデルフィア・76ers(1位)、ミルウォーキー・バックス(2位)、ブルックリン・ネッツ(3位)の上位3チームだ。

 イースタンの最高勝率を誇る76ersは、平均29.1得点、11.0リバウンドと絶好調の大黒柱のジョエル・エンビードがチームをけん引している。これまでも稀有な才能が称賛されてきたエンビードだが、今季は心身ともにコンディションが良好な模様で、出場した20試合は17勝3敗。その影響力は明らかだ。

「彼の才能は私が考えていた以上だった。すばらしいタレントであることはわかっていたが、本当に多くのものを備えている」

 エンビードの能力には今季からチームの指揮を取るドック・リバースHCもそう舌を巻くほどで、今季MVP候補の声も挙がっている。

 昨季はアル・ホーフォードとジョシュ・リチャードソンが、エンビード、ベン・シモンズという2大ヤングスターとフィットしなかったが、今季に加入したセス・カリー、ダニー・グリーンはうまく噛み合っている。"第3スター"のトバイアス・ハリスもいいプレーをしており、スタメン5人が揃ったゲームでは14勝0敗と力を発揮。ロースターの層の薄さに不安はあるものの、エンビード、シモンズが元気なプレーを続ければ、アレン・アイバーソンが引っ張った2001年以来となるファイナル進出が見えてくる。

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