NBA再開で気になる八村塁とウィザーズ。PO進出にはデメリットがある (3ページ目)

  • 杉浦大介●文 text by Sugiura Daisuke
  • photo by AP/AFLO

 アキレス腱の手術からリハビリ中のジョン・ウォールが出場するのであれば、話は別だったかもしれない。復帰後のウォールにとって、実戦機会は貴重なものになる。ブラッドリー・ビール、八村といったほかの主力選手とも、来季に備えて早い段階で一緒にプレーしておいて損はない。しかしウォールはすでに、米メディアを通じてリーグ再開後も出場はしないと明言している。

 6月6日には、米ウェブサイト『The Athletic』のフレッド・キャッツ記者が、自身のポッドキャストでこう述べた。

「ビールがどのくらいプレーするのかも疑わしい。さまざまな可能性があるが、私はウィザーズがプレーオフ争いのために、ビールに平均36分もプレーさせるとは思わない」

 確かに、中断から再開まで約4カ月のブランクができるだけに、大黒柱のビール、31歳のイシュ・スミス、今季終了後にFA権を得るダビス・ベルターンスといった選手たちは無理にプレーをしない可能性もある。健康面のリスクも完全には払拭できておらず、変則日程によって今季終了から来季開幕までの時間が短くなるのであれば、出場を控えて来季に備えたいという考えが生まれるかもしれない。

 だからといって、再開後のゲームがウィザーズにとって無意味なものだと言いたいわけではない。ウィザーズのプライオリティが今季よりも来季以降にあるのは事実としても、一部の若手選手たちにはオーランドでの日々が重要な時間になるはずだ。

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