折茂武彦が語る今の日本バスケ界。
「羨ましくないと言えば嘘になる」 (2ページ目)
キャリア晩年にBリーグが誕生、男子バスケの日本代表は1976年モントリオール大会ぶりの東京オリンピック出場も決まっている。どんな答えが返ってきたとしても、何かが変わるわけではないことをわかりながらも聞いてみたくなる。
――生まれるのが少しだけ早かったとは思いませんか?
「ずっとプロに憧れ、ずっとアマチュアであることにジレンマを感じ、オリンピックに出なければ日本バスケは変わらないと強く思い、オリンピックを目指してきました。今、その全てが現実になっている。当たり前のように満員の観客の前でプレーできるようにもなった。羨ましくないと言えば正直嘘になる。
ただ同時に、"僕らの時代があったから、君たちの時代があるんだよ"とも思う。苦しい時をもがいてきた俺たちの時代、さらにその前にいた人たちの時代、そんな時代があるから今があるんだと。日本バスケにとって幸福な今に至るまでの過程の一部分に携われたことは、掛け値なしに幸せです。
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