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2m以上は1人。「小さな」ロケッツの
スモールボールの行方が気になる (2ページ目)

  • 杉浦大介●文 text by Sugiura Daisuke
  • photo by USA TODAY Sports/Reuters/AFLO

 しかし、ロケッツのスモールボールは一定以上の成果を挙げている。2月は9勝3敗と大きく勝ち越し、3月2日のニックス戦の前まで6連勝。2月はロサンゼルス・レイカーズ、ボストン・セルティックス、ユタ・ジャズも3桁得点で撃破した。

「(ビッグマンの代わりに)複数のシューターがフロアに立つことによって、ペリメーター(制限区域の外側で、かつスリーポイントラインの内側のエリア)でプレーしやすくなっているのは確かだ」

 ウェストブルックがそう証言するように、センターが不在になったことでハーデン、ウェストブルックに大きなスペースができた。ロケッツへのフィットが疑問視されていたウェストブルックも、水を得た魚のように調子を上げている。

 また、チームはディフェンス面でも予想以上の頑張りを見せている。

「このチームのガード陣は、(相手の)ビッグマンもガードできるんだ」

 そんなダントーニHCの言葉どおり、強靭なタッカー、多才なコビントンをはじめ、ロケッツの主力選手はフィジカルに恵まれた選手が多い。ディフェンス面は無関心と指摘されてきたハーデンも、その気になればポストディフェンスをこなせる強さと巧さを持つ。

 昨季のハーデンは、ポストでの212回の守備機会で平均0.68得点しか許さず、この数字は(守備機会が50回以上あった選手のなかで)リーグ2位という意外なデータも残っている。それらの要素を考慮すれば、スモールボールはロケッツに"最も適している"という見方もできるかもしれない。

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