2m以上は1人。「小さな」ロケッツのスモールボールの行方が気になる (3ページ目)

  • 杉浦大介●文 text by Sugiura Daisuke
  • photo by USA TODAY Sports/Reuters/AFLO

 もともと2月5日のトレード断行前まで、カペラがケガで不在だったゲームでは10勝1敗という成績だった。スモールボールに変更する前のスタイルでは、レイカーズ、ロサンゼルス・クリッパーズなどの上位チームには敵わないと判断したならば、失うものはなく「理にかなった挑戦だった」と考えることもできる。

 しかし多くの専門家が指摘するとおり、スモールボールには明白な欠点が存在する。最大のウィークポイントはリバウンド力不足だ。新ラインナップを採用してから10戦目のニックス戦では、リバウンド争いで34-65と惨敗。それが、低迷中のニックスにオーバータイムで敗れる要因となった。

「ペイント内の強さという僕たちのアドバンテージを生かしたんだ。ロケッツはスモールボールで挑んでくるから、ショットをミスしても、オフェンシブ・リバウンドを取ることによってセカンドチャンスが掴めることはわかっていた」

 ニックスのジュリアス・ランドルは試合後にそう述べたが、平均身長196.4cmのスタメンで臨んだロケッツは、同199.8cmの相手に20のオフェンシブ・リバウンド、21のセカンドチャンス・ポイントを許している。その後、5日のクリッパーズ(スタメン平均身長201cm)戦、8日のマジック(同200.2cm)戦でもリバウンド争いで後れを取り、マジック戦まで4連敗。この4試合を見たファンが、ロケッツの今後を楽観できなくなったとしても無理はない。

 ニックス、クリッパーズ、マジックはサイズに恵まれたチームで、相性が悪かったことは事実だろう。なかでも、213cmセンターのイビツァ・ズバッツを擁するクリッパーズとは、スタメンの平均身長に4.6cmもの差があった。

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