2019.10.25

八村塁がクールにNBAデビュー、即活躍。
「The Best Moment of My Life」

  • 杉浦大介●取材・文 text by Sugiura Daisuke
  • photo by USA TODAY Sports/ Reuters/AFLO

「負けたけど、僕にとっては人生最高の瞬間だった」

 現地時間10月23日、敵地で行なわれたダラス・マーベリックスとの今季開幕戦を終え、ワシントン・ウィザーズの八村塁は米メディアからの質問に英語でそう答えた。

NBAデビュー戦で活躍した八村 日本で生まれ育ったバスケットボール選手が、世界最高のリーグであるNBAの開幕戦にスタメン出場。しかも、ただプレーするだけではなく、14得点、10リバウンドの”ダブルダブル”を達成した。

「The Best Moment of My Life」という八村の言葉は、八村だけでなく日本バスケットボール界全体に当てはまるものかもしれない。わずか数年前、こんな日が来ると誰が想像できただろうか。

 10月23日の午前中、「シュートアラウンド」と呼ばれる試合当日のチーム練習で、大量のメディアが八村の一挙一動を追いかけた。その約9割は、全15媒体、30人が集まったという日本メディア。注目度が高いことはプロアスリート冥利に尽きるだろうが、その一方で、夢舞台での  デビュー戦を前に大きなプレッシャーも感じただろう。
 
 しかし、マーベリックスの本拠地、アメリカン・エアラインズ・センターのコートに立った八村は、周囲が驚くほどに落ち着いていて、自信に満ちたプレーを見せてくれた。

 第1クォーターの開始2分過ぎ、ブラッドリー・ビールから好パスを受けてのレイアップで初得点を挙げる。それでリズムをつかんだのだろう。その後、得意とするミドルレンジから2本のプルアップジャンパー(ドリブルで切れ込み、ストップしてからのジャンプシュート)を決め、NBAプレーヤーとしての最初のクォーターで6得点を挙げた。ディフェンスでも、身長221cmの相手エース、クリスタプス・ポルジンギスを相手に一歩も引かず、チームを活気づけた。

「僕もそこそこの仕事ができたんじゃないかなと思っている」

 試合後、本人も控えめな形で自画自賛したが、実際に派手さはなくとも確実にチームに貢献し続けた。前半だけで8得点、4リバウンドを稼ぐと、第3クォーター以降は、プレシーズン戦でも効果的だったゴール周辺でのリバウンド力を発揮。後半だけで4オフェンシブリバウンドを含む6リバウンドを挙げ、チームの追い上げに一役買ってみせた。