来日したステフィン・カリーが八村塁に太鼓判。「次世代の指標」
「私自身は5つ星の中で、せいぜい3つ星の選手だった。高校時代はその程度の評価しか受けられず、父(デル・カリー/元NBA選手)が進学したバージニア工科大学からも声が掛からなかったよ。プレーしてきたほとんどのチームで一番背が小さかったしね。それでも自分のポテンシャルを信じ続けた結果、今がある。私も"アンダードッグ"から這い上がってきたんだ」
NBA最高のスーパースターは、苦節と栄光に満ちた自身の競技人生をこう振り返った。
2年連続3度目の来日で、高校生たちに指導を行なったカリー(写真提供:楽天) ゴールデンステイト・ウォリアーズのステフィン・カリーは、高校時代から能力の高さを発揮していたものの、当時180cm前半だった身長がネックとなって強豪大学からのオファーが届かなかった。しかし進学先のデイビッドソン大学でブレイクし、2009年のドラフトでウォリアーズから全体7位で指名された。
それ以降に彼が残してきた偉業は、バスケットボールファンであれば誰もが知るところだろう。2012-2013シーズンに、NBA新記録となる272本のスリーポイントシュートを成功。2015-2016シーズンにはそれを402本まで伸ばし、史上初となる満票でのMVPを受賞した。NBAにロングシュート全盛の時代をもたらし、「NBAの概念を変えた」と称される男は、未だ衰えぬ向上心を持ち続けている。
そんなカリーは6月21日に来日し、翌日には都内で開催された「UA BASKETBALL TOUR 2019 TOKYO」のイベントに参加した。日本の若き有望選手である富永啓生、三谷桂司朗(広島皆実高校3年)の1対1を見ながら時おりアドバイスを送るなど、充実したワークアウトを終えたあとに3人での鼎談が実現した。
憧れのカリーとのやりとりを「緊張した」と振り返った富永は、桜丘高校3年生時に出場した昨年末のウインターカップで平均39.8得点を挙げ、大会得点王に輝いた世代最高のスコアラーだ。類まれな得点能力から"和製カリー"とも呼ばれ、今夏からはNJCAA(全米短大体育協会)1部所属のレンジャー短期大学に進学する予定になっている。
アメリカからNBAを目指す逸材だが、一部からは「プレーが自己中心的」と批判を浴びることも。そんな富永のプレースタイルについて、カリーは自身の経験を踏まえて次のような言葉を送った。
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