東京がBリーグ連覇。勝敗を分けた残り19秒のワンプレー
アルバルク東京vs千葉ジェッツ――2シーズン連続の同一カードとなったBリーグファイナル2018−2019。しかし、前シーズンの覇者である東京の立場は、挑戦者だった。
今季、東京はレギュラーシーズン序盤で苦戦。なかなか勝ち星を伸ばすことができず、故障者も続出した。エースの田中大貴(SG)も左足ハムストリングを痛め、レギュラーシーズン11試合を欠場。どうにかポストシーズンに間に合ったものの、万全とは言い難いコンディションだった。
※ポジションの略称=PG(ポイントガード)、SG(シューティングガード)、SF(スモールフォワード)、PF(パワーフォワード)、C(センター)。
アルバルク東京が千葉ジェッツを下してBリーグ2連覇を達成 強豪が揃う東地区で、東京は千葉、栃木ブレックスの後塵を拝して地区3位。さらに、ファイナルで対戦する千葉とはレギュラーシーズンで6戦して1勝5敗。1月に行なわれた天皇杯の準決勝でも顔を合わせ、79−80の1点差ながら敗れている。
王者・東京に何が起こっていたのか? ベテランの菊地祥平(SF)が内情を語った。
「ルカ(・パヴィチェヴィッチ)体制となって2年目。戦い方のベースは昨季と一緒です。しかし、チャンピオンチームとなり、対戦チームが対策を十分に練って、さらにどのチームも『王者を食ってやる』という強い気持ちでゲームに臨んできました。結果、去年までの戦い方ではなかなか勝ち切ることができず、僕たちは今シーズンの練習の大半を対策の対策――『こう対策されたら、こう対応する』という反復練習に費やしました」
そして、その延々と続けた反復練習の成果が花咲いたのが、ファイナルの一戦だった。
ワイルドカードでチャンピオンシップに進出した東京は、クォーターファイナルで中地区1位の新潟アルビレックスBBを、セミファイナルでは西地区1位の琉球ゴールデンキングスを、それぞれアウェーで退けファイナルへと駒を進める。
しかし、セミファイナルを沖縄で3試合戦ったため、千葉よりも1試合多く、さらに中6日の千葉に比べ、東京は中4日でファイナルを迎えなければいけなかった。
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