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東京がBリーグ連覇。
勝敗を分けた残り19秒のワンプレー (2ページ目)

  • 水野光博●取材・文 text by Mizuno Mitsuhiro
  • 松岡健三郎●撮影 photo by Matsuoka Kenzaburo

 満身創痍で迎えたファイナル。東京はシックスマンとしての登場が続いていた田中をスターターに戻し、馬場雄大(SF)と同時に起用。日本代表でも対戦チームのエースストッパーとして起用される、リーグ屈指の守備力を誇る2選手がスターターに名を連ねた。

 第1クォーター、東京の狙いが功を奏し、千葉は田中と馬場のプレッシャーによって思いどおりのオフェンスを組み立てることができない。しかし、引き離されそうになると富樫勇樹(PG)の個人技で得点を重ね、このクォーターの千葉の全得点15点のうち、10点を富樫ひとりが叩き出す。

 第2クォーター、あいかわらず東京のディフェンスのプレッシャーは強く、千葉は攻めあぐねる。しかし、このクォーターの「ゴートゥガイ(ここ一番でもっとも頼れる選手)」となったのが田口成浩(SG)だ。タフショットを次々に沈め、このクォーターだけで3ポイントシュート4本を含む14得点と荒稼ぎする。

 一方、千葉はマンツーマンとゾーンをディフェンスで織り交ぜ、東京が得意とするピック&ロールを対策してきた。とくに、ゾーン時は小さく守り、インサイドを徹底して堅守。結果、一進一退の攻防は続き、東京が2点のリードで第2クォーターを終える。

 前半戦を観戦した元女子日本代表PG大神雄子は、戦況をこう分析した。

「両チームとも対戦チームのスカウティングが完璧。相手のよさを消すことを徹底しています。ちょっとしたことをきっかけに、どちらに流れが傾いてもおかしくない。ただ、前半は点差こそつきませんでしたが、トランジションを得意とする千葉は、もっと走って点を取りたい。やりたいことができず、千葉のほうが苦しいはず」

 第3クォーター、ついに均衡が崩れる。菊池が語っていた「対策の対策」が、形になって現れた。

 これまで千葉は、馬場と田中のドライブを警戒し、インサイドを重点的に守っていた。ところが第3クォーター開始早々、竹内譲次(PF)に3Pシュートを2本立て続けに決められると、アウトサイドを意識せざるをえなくなり、東京のオフェンスの的を絞れなくなる。

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