NBAイーストは下克上の予感。王者レブロンに「悪童」が襲いかかる (3ページ目)

  • 水野光博●文 text by Mizuno Mitsuhiro
  • photo by AFLO

 3月中旬にはケガで離脱していたJ・R・スミス(SG)とケビン・ラブ(PF)が復帰。いよいよエンジン全開かと思われたが、加速どころか大失速してしまう。レブロン・ジェームズ(SF)、カイリー・アービング(PG)というリーグを代表するスター選手を擁しながら、3月以降のキャブスは10勝14敗と負け越し。4連敗という最悪の形でレギュラーシーズンを終えている。結果、セルティックスに第1シードの座を奪われてしまった。

 しかも、キャブスがファーストラウンドで対戦するペイサーズには、レブロンにとって天敵ともいえる「悪童」ランス・スティーブンソン(SG)がいる。2014年のカンファレンス・ファイナルで当時マイアミ・ヒートの一員だったレブロンの耳に、試合中にもかかわらず息を吹きかけた男といえば、覚えている人も多いのではないだろうか。

 スティーブンソンは2014年を最後にペイサーズを離れると、悪童ぶりが敬遠されてチームを転々とし、FAとなっていた。そこへ3月29日、古巣ペイサーズから声がかかる。すると、スティーブンソンはまたもいきなり問題を起こしたのだ。

 4月4日のトロント・ラプターズ戦、ペイサーズ大量リードで試合は残り8秒。勝敗が決したこの状況でリードする側がボールを保持すれば、プレーを止めて試合終了まで時間を使い切るのがアンリトゥンルール(不文律)となっている。しかし、スティーブンソンはノーマークなのをいいことに、平然とレイアップを決めた。このプレーにラプターズの選手たちは大激怒。乱闘寸前の騒ぎとなってしまった。

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