【男子バスケ】八村塁、ゴンザガ大目指しての渡米を支えた母校と猛勉強 (2ページ目)

  • 小永吉陽子●取材・文・写真 text&photo by Konagayoshi Yoko

 また晴れて入学が認められても、NCAAでは学業がおろそかになれば選手登録をすることができず、公式戦には出場できない。いわゆる「レッドシャツ」扱いとなる。「これまで文武両道をしてこなかったので......」とみずから言う八村は英語力を上げる必要があり、もし今年9月の入学許可が下りない場合には、ゴンザガ大指定のプレップスクールに通って入学準備をすることも考えられた。だが、八村は大学から期待されて勧誘されたスカラシップ選手。ゆえに本人は「1年目はレッドシャツで環境に慣れる期間でもいいから、プレップスクールには通わずに入学できるように頑張りたい」という覚悟があった。その熱意に対し、明成高校と同校バスケ部が万全のサポート態勢を敷いた。

 この1年間で受けたSATは5回。高校の先生やネイティブ・スピーカーによるマンツーマン指導によって徐々にスコアを伸ばしていった。高校卒業後も仙台にある明成バスケ部の寮で生活しながら、高校協力のもと勉強を続けてきた。夕方になれば部活動に参加して後輩たちと汗を流したが、練習をしながら1日7~8時間、勉強に費やしたという。

 勉強漬けの毎日を送ることは受験生にとっては当然のことだろう。だが、八村のすごさはNCAAの強豪校入学を目指しながらも、ウインターカップで3連覇を成し遂げたことにある。

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