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【男子バスケ】八村塁、ゴンザガ大目指しての渡米を支えた母校と猛勉強 (3ページ目)

  • 小永吉陽子●取材・文・写真 text&photo by Konagayoshi Yoko

 八村を擁する明成は2年生だけでウインターカップを制す快挙を果たしたため3年時も下馬評は高かったが、周囲が思うほど簡単に勝ってきたわけではない。この1年間の八村は代表候補に選ばれて海外の親善大会に参加し、ジョーダン・ブランド・クラシックやNBAとFIBAが共催するキャンプに招待されるなど、公式戦以外にも多忙な1年を送った。逸材を預かった明成としても、将来を見据えてケガをしない体作りや、ポジションを固定せずに可能性を引き出す育成を手がけた。また、選手たちのアイデアで試合運営をさせて自主性を伸ばすなど、目先の勝利だけにこだわらない指導をしてきた。

 日本の高校に通いながらNCAAの強豪校から勧誘された初のケースに、佐藤久夫コーチ率いるバスケ部と明成高のサポート態勢は万全であり、やるべきことをやり遂げて送り出したのだ。

 八村自身、プレッシャーがなかったわけではない。

「アメリカ行きの目標や3連覇のプレッシャーもあって、気持ちを持ち続けるのはすごく大変でした。けれどこれからもずっとバスケをやっていくのだから、とにかくうまくなりたい思いで練習に集中しました。最後の1年は苦手だった勉強をする習慣がついてよかったと思います」と笑う。

 何より、U-17世界選手権でアメリカと対戦し「なんてハングリーなんだ」と世界王者の強さを肌で感じたその日から、夢が目標となり、アメリカに行きたい気持ちを抑えることができなかった。そんな八村の努力のあとを恩師の佐藤コーチはこう語る。

「八村は誰よりも貪欲なまでの向上心を持っている選手で、3年間で自分をイジメることができるようになった。困難をクリアする楽しさを体験したことが彼を成長させた」

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