五輪予選間近。田臥勇太が語る「日本バスケの現在地」
「めちゃくちゃタフな毎日です。体の当たりも強いし、タイプが違う国がたくさんあって、これがアジアの戦いだと痛感しています。負けが続いても成長している手応えはあるので、前に進んでいくだけです」
チーム最年長として日本代表を牽引する田臥勇太 9月上旬、アジア選手権の前哨戦ともいえる台湾での国際親善試合、ジョーンズカップに参戦した日本代表。2勝6敗と勝ち切れない試合が続く中で司令塔の田臥勇太(リンク栃木ブレックス)は、厳しい現実から目を背けることなく、自分にできることは何かを探し続けていた。
リオ五輪予選を兼ねたアジア選手権が、9月23日から中国・長沙にて開幕する。アジアからの出場枠は優勝国のひとつのみ。2~4位までに入れば、来年開催される最終予選への道が開かれる。2007年以降、アジア選手権でベスト8前後と低迷している日本は「最終予選の切符獲得となるベスト4」を第一関門の目標として大会に臨む。
2年目となった長谷川健志ヘッドコーチ体制のチーム作りは、これまでの日本に足りなかった「積極性と激しさを出す」ことからスタートしている。今年に入っては中国と東欧遠征に出向き、国内での強化試合ではチェコ代表と対戦、最終遠征のジョーンズカップまでチーム内で競わせ、闘争心を求めてきた。その改革を担う司令塔として招集されたのが、今年の10月で35歳になる田臥だ。
「日本の武器である速い展開をするには田臥のスピードとゲームメイクが必要。何より、バスケットボールに取り組む真摯な姿勢は若い選手のお手本になる」と長谷川HCは田臥のゲームコントロール力をチームの軸に据えている。
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