【NBA】今年がラストシーズン「かもしれない」K・ブライアントの本音

  • 宮地陽子●文 text by Miyaji Yoko  photo by AFLO

 いよいよ、コービー・ブライアント(ロサンゼルス・レイカーズ)にとって現役最後になるかもしれないシーズンがやってくる。今年8月に37歳の誕生日を迎え、NBAで19シーズンを戦ってきたコービーは、少し前から引退が近いことを示唆する発言をするようになった。レイカーズとの現契約も、10月から始まる2015-16シーズンが最終年。延長する可能性もないわけではないが、20シーズン目を終えたところで、現役生活にひと区切りつける可能性は高い。

今年で20シーズン目を迎えるレイカーズのコービー・ブライアント今年で20シーズン目を迎えるレイカーズのコービー・ブライアント 6月下旬、ケーブルテレビ局『BET』の公開トークショーで、次のシーズンが現役最後となる可能性について聞かれたコービーは、「そうなるかもしれない」と言った。その瞬間、会場のファンからは一斉に、「辞めないでほしい」との思いがこもった「ノーーーー」の声が挙がった。すると、コービーはこう続けた。

「そう言っても、いつかは現役引退しなくてはいけないんだよ。僕はベンジャミン・バトンではないのだから」

 ベンジャミン・バトンとは、アメリカで2008年に公開された映画『ベンジャミン・バトン 数奇な人生』の主人公。80歳の状態で生まれ、年を重ねるに従って若返るという設定の人物だ。映画やドキュメンタリー番組を幅広く見て、そこから選手としてのインスピレーションを得ることが多いコービーならではのコメントだ。30代後半となり、試合を戦うたびに痛む身体をアイシングのため氷水に入れるとき、「ベンジャミン・バトンのように若返ることができたら......」と想像することもあるのだろうか。

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