【NBA】今年がラストシーズン「かもしれない」K・ブライアントの本音 (3ページ目)

  • 宮地陽子●文 text by Miyaji Yoko  photo by AFLO

 自分自身が納得できるようなレベルのプレーをするために、コービーは長い時間をかけて準備している。それは単に、オフシーズンのトレーニングによる身体づくりや、スキルの練習だけでなく、シーズンが始まってからは練習や試合が終わるごとに全身をアイシングし、トリートメントを受け、次の試合が始まるときまでに身体を回復させて、戦う準備ができるように整える。来る日も来る日も、1日24時間を、試合の準備のために使う……。口で言うほど、簡単なことではない。

 冒頭で、「コービーもベンジャミン・バトンのように若返ることができたらと想像することはあるのだろうか」と書いたが、実際のところ、彼は意外なほど現実主義者な一面を持っている。若返ったらどうなるのだろうか……と想像することはあるかもしれないけれど、現実的にありえないことを渇望するタイプではない。

 2年前の2013年4月にアキレス腱を断裂したときや、今年1月に肩の手術を受けなくてはいけないとわかったときですら、現実を受け入れ、その状況で自分が何をしなくてはいけないかを真っ先に考え、気持ちを切り替えていた。そうやって、後ろを振り返ることなく、常に目の前にあるチャレンジにだけ集中するメンタリティを持っているからこそ、19年間にもわたってトップレベルでプレーし続けることができたのかもしれない。

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