五輪予選間近。田臥勇太が語る「日本バスケの現在地」 (3ページ目)
――課題はありますが、チームの形も見えてはきています。強化試合ではリバウンドに跳び込めた試合は走る展開も出てきています。徐々にチームになってきている手応えはありますか?
「それは感じています。まずは全員でディフェンスの足を動かして、少しでもプレッシャーをかけて相手を苦しめないといけません。それをいかに全員が集中力を持って体を張り、気持ちを込めてやれるかですよね。全員でリバウンドに跳んで、ボックスアウトをハードにする。それでも上から取られたらしかたない、というところまでは持っていきたい。それが、日本が勝てる方法だと思うんです」
今年6月、5年ぶりに日本代表候補に名を連ねたとき、「この年齢になって自分が選ばれた意味を表現したい」と抱負を語った田臥。
過去には2009年から2011年にも代表に招集されたが、2009年はNBAサマーリーグのミニキャンプに出場するために途中離脱。2011年は当時長く抱えていた足底筋膜炎が回復せずに辞退している。一度だけ日の丸をつけた2010年のアジア競技大会では、田臥を軸にすることで、速攻という特色が出せるチームになったことは確かだった(結果は16年ぶりの4位)。
NBAやDリーグ(※)のユニフォームを勝ち取った経験に加え、ケガを克服して第一線に戻ってきた情熱、そして年齢を重ねても常に向上し続け、全力でプレーする姿勢こそが、今の日本に必要な存在なのだといえる。35歳を迎える今、田臥は日本代表で何を表現するのか。
※Dリーグ = NBAデベロップメントリーグ、NBAの育成組織のリーグ
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