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【NBA】新生レイカーズ、ここが変わった! (2ページ目)

  • 佐古賢一●解説 analysis by Sako Kenichi
  • 甲斐啓二郎、AFLO●写真 photo by Kai Keijiro, AFLO

ブラウン前監督とダントーニ新監督の違いについて語る佐古氏ブラウン前監督とダントーニ新監督の違いについて語る佐古氏 ただ、新しくなったレイカーズを見ていると、迷いが吹っ切れた感はあります。プレイしているときの表情も、良くなったように感じますね。ダントーニ監督は「早いタイミングでシュートを打ってもいい」と指示しているようなので、選手もプレイしやすいのではないでしょうか。「早いタイミングでシュートを打ちたい!」というのは、バスケットボール選手が持っている『本能』ですから。

 今シーズン、ブラウン前監督が導入したプリンストンオフェンスは、結果的に、選手の動きを悪い方向に制限してしまいました。いくら練習でシチュエーションドリルをやっていても、それはあくまで練習上での話に過ぎません。試合になって、ボールをもらいたくない状況で、もらいたくないリズムで「シュートを打て」と言われても、ゴールの確率は上がらないものなのです。選手にとって、自分のリズムで打てないことは、相当にストレスが溜まります。能力が高ければ高いほど、自分のリズムを持っているものですから。

 それならば多少、フリーランスを織り交ぜた攻撃スタイルのほうが、今のレイカーズには合っているのではないでしょうか。事実、選手の『閃(ひらめ)き』や『リズム』を重んじたダントーニ監督のスタイルは、今のところ良い結果を生んでいます。

 選手にとって『リズム』というのは非常に重要なことで、新生レイカーズを見ていると、実にそれを感じさせてくれます。ブラウン時代は調子の良くなかったドワイト・ハワードも、新体制後は攻守ともに『リズム』を取り戻したようで、試合でリバウンドやブロックを連発していました。ダントーニ監督に代わってからのハワードの存在感は、まるで違います。

 しかも、ディフェンスでのリバウンドに絡まず攻撃に転じたときのハワードは、一番に走り出してゴールを目指していました。これもダントーニ監督の良い影響でしょう。彼のようなビッグマンが「前に!」という意識を持つことは、非常に大きな武器となります。これでナッシュも復帰し、速攻スタイルが確立すれば、ハワードへのダイレクトパスも増えて、攻撃力はさらにアップするでしょう。

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