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【F1】ホンダの根底に流れる本田宗一郎の想い 復帰の理屈なんてどうあれ「世界一にこだわれ」 (2ページ目)

  • 米家峰起●取材・文 text by Yoneya Mineoki

【F1への想いはくすぶり続けていた】

 ホンダのパワーユニット開発とレース運営を担うホンダ・レーシング(HRC)の渡辺康治社長も、アストンマーティンとの絆をこう語る。

「我々は『ワンチーム・ワンファミリーでやろうよ』と言っています。単なるPU(パワーユニット)マニファクチャラーとコンストラクターという関係から、さらにもうひとつ上に行き、目指すクルマの方向性、開発の方向性や課題といったことをすべて共有しながらひとつのチームとして作り上げ、長期的にタイトルを狙えるようになれればと思っています」

 2021年限りでF1から撤退を余儀なくされたあとも、ホンダ内部ではF1への想いがくすぶり続けていた。

 だからこそ、レッドブルパワートレインズへの供給および運営支援という形でF1に関わり続け、技術と知見を絶やすことなく、復帰に向けた足がかりを模索していた。

 そのなかで動き、参戦の条件となるPU製造者登録を行ない、アストンマーティンからのラブコールを受けて提携を取りまとめ、ホンダ本社の承認を得るところまで漕ぎ着けたのが、渡辺社長だった。

「最終的には、2023年4月のホンダ(本社)の経営会議で私が提案するという形で再参戦が決まりましたが、その間には非常に大きな議論がありました。『辞めたのにすぐ戻るのか』という意見もあれば、一方でやはり『ホンダはF1なくしてホンダではない』みたいな意見もあり、相当な議論があったなかでの結論でした。でも、『やると決めたからにはやるんだ、勝つんだ』ということで、意思統一がされています」

 電動化、脱炭素、新たな時代のモビリティへの貢献、さらにはF1の知見による人材とプロダクトの磨き上げなど、ホンダのF1復帰にはさまざまな理由がある。

 しかし根底に流れているのは、F1という世界最高峰の舞台で戦い、世界一になるんだという情熱だ。レースに血湧き肉躍る、泥臭いまでのチャレンジスピリットだ。

 理屈なんてどうあれ、そのひと言ですべてが体現できる技術者たちの集団──。だからこそ、ホンダはホンダなのではないか。

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