【F1】角田裕毅のモナコGP決勝1週目ピットインは裏目に なぜレッドブルはそんな戦略を採ったのか (2ページ目)
【抜けないモナコの特性は変わらない】
レース後の角田は、このレース展開を受け入れて淡々としていた。
「特にも何もできなかったので、今までで一番長く感じたレースでした。ああいう位置からのスタートだったので、何か違うことをトライするしかありませんでした。
特に前にいる2チームは2台が揃っていてチームプレイができる状況で、何かをやってくるだろうというのはわかっていた。僕としては(1周目ピットインは)望んでやったことですけど、とにかく予選ポジションがもっとよくないと、どうしようもないということですね」
2ストップが義務化されようと、抜けないモナコのコース特性は変わらない。それを最大限に生かしたチームプレイが繰り広げられ、後方グリッドからは勝負のしようがない事実も変わらない。
こうしたチームプレイは、何も今に始まったことではない。ただ、2ストップ作戦ゆえにこのチームプレイが繰り広げられた回数は多くなり、フォーカスされやすくなった。
モナコGP決勝が、こういうドライバーにはどうすることもできないレースになることは、ドライバーたちは何年も前から知っていた。だから角田も、予選が失意の結果に終わった時点でそれを受け入れていた。
モナコでは、実質的なペースはフェルスタッペンに肉薄するものがあった。そのポジティブな面に目を向け、次のスペインGPではノーズとフロントウイングが同仕様になる予定であることも受け、リズムを掴み直すことが先決だと気持ちを入れ換えている。
「それだけじゃなくて見えない部分にもいくつか(フェルスタッペン車と)仕様が異なるものもあるので、(ノーズを)変えていきなり状況がガラッと変わるとかいうものではないと思いますけど、僕自身もまだ改善しなければならない部分があります。
僕はそこに集中したいと思います。気持ちを切り替えて、まずは予選でQ3に進むことに集中して、ポイントは絶対に獲りたいです」
うまくいかなかったイモラとモナコの悪い流れを、3連戦最後のバルセロナでしっかりと断ち切ってもらいたい。
著者プロフィール
米家峰起 (よねや・みねおき)
F1解説者。 1981年1月31日生まれ、兵庫県出身。F1雑誌の編集者からフリーランスとなり2009年にF1全戦取材を開始、F1取材歴14年。各種媒体に執筆、フジテレビNEXTやYouTube『F1LIFE channel』での解説を務める。
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