【F1】角田裕毅がレッドブルマシンで初モナコGP ウェットコンディションなら大波乱も十分にあり得る (2ページ目)
【予選はアタックのタイミングが重要】
モナコは全開率が40パーセント台と極端に低く、実質12個のコーナーのうち7つが100km/hを下回るほど速度域が低く、フェアモント・ヘアピンでは1速まで落として50km/hを下回る一方で、300km/hを超える場所も8速に入る場所も1箇所たりともないほど特殊なサーキットだ。
パワーユニットも、ふだんは使わないような低回転域のドライバビリティが重要になる。そのことに加え、予選ではトラフィックの影響による2周連続アタックや、Q3のように1周に集中したアタックの場合など、シチュエーションに合せたエネルギーマネージメントも重要だ。
ホンダの折原伸太郎トラックサイドゼネラルマネージャーはこう説明する。
「予選で1周フルにディプロイ(エネルギー回生)しても、ほかのサーキットとはケタ違いにエネルギーが余りますので、2周連続でアタックすることも可能です。
シングルアタックする場合には、Eブースト(MGU-Hのモーターを回してターボをアシストしつつ、ウェイストゲートを開けてエンジン出力を上げる機能)もどんどん入れて、少しでもタイムを上げる方式を採ります。
※MGU-H=Motor Generator Unit-Heatの略。排気ガスから熱エネルギーを回生する装置。
※ウェイストゲート=ターボチャージャーの過給圧を制御するために、タービンに流れる排気ガスの一部を逃がすバルブ。
トラフィックに引っかかったりで一度アボート(打ち切り)して、翌周そのまま連続でアタックしたい場合には、Eブーストは入れずに2周フルディプロイできるようにする2パターンを用意しています」
20台が同時に走るQ1ではトラフィックがひどく、クリアラップがなかなか取りづらいため、連続走行しながらアタックするタイミングを見計らう必要がある。
そして、今年は土曜の午後に雨の予報もあるため、ウェットコンディションとなれば、連続アタックでエネルギーやタイヤの状態をいかにうまく合わせ込むかが非常に重要になってくる。その成否によっては、大波乱の結果も十分にあり得るのだ。
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