【F1】角田裕毅がレッドブルマシンで初モナコGP ウェットコンディションなら大波乱も十分にあり得る (3ページ目)
【いつも以上に慎重に焦らないこと】
イモラでは旧型のノーズとフロントウイングを使うこととなった角田は、今回のモナコでも同様になりそうだ。加えて、前回のクラッシュで新型フロアを壊したため、その差も生じる可能性が高い。
フェルスタッペンがイモラで大きな改善の手応えを掴んだという最新パッケージを、角田はまだトライできていない状況だが、このモナコでもそれは変わらない。
「僕はまだイモラでも最新マシンのフルパッケージで走っていませんけど(イモラではノーズとフロントウイングが旧型、決勝はフロアも旧型)、彼(フェルスタッペン)が最新型でいい感触を得ているのはいいことだと思います。
今週末のパーツがどうなるかはわかりませんけど、おそらく今週も最新型のフルパッケージを使うことはできないと思います。それによる差はつきますけど、それは(イモラで壊した)自分のせいでもありますし」
しかしモナコでは、マシンの差もさることながら、ドライバーの腕の差のほうが重要になってくる。
「イモラでは(予選の最初にクラッシュしたため)ほとんどショートランをやれていませんので、今週はいつも以上に慎重に走り始めることになるかもしれません。レッドブルのマシンがバンピー(なところは苦手)というのもあるので、少しずつゆっくりと自信をビルドアップしていく必要はあると思います。
そもそも、モナコはランオフエリアがほとんどないので、(慎重さが必要で)ほかのサーキットと同じようにはアプローチできないですしね。重要なのは焦らないこと。徐々にビルドアップしていって、予選ですべてをまとめ上げることが重要です」
そう自分に言い聞かせるように言った角田が、5年目のモナコでどんな走りを見せるのか。
これまでミスを犯しては好走で取り戻してきた角田が、イモラの大失敗を取り戻すすばらしいレース週末を、このモナコで見せてくれることを期待したい。
著者プロフィール
米家峰起 (よねや・みねおき)
F1解説者。 1981年1月31日生まれ、兵庫県出身。F1雑誌の編集者からフリーランスとなり2009年にF1全戦取材を開始、F1取材歴14年。各種媒体に執筆、フジテレビNEXTやYouTube『F1LIFE channel』での解説を務める。
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