F12025年のルーキーたちを中野信治が分析 いま求められるドライバーの資質とは?
中野信治・インタビュー F1 2024シーズン総括 後編(全3回)
現行のマシンレギュレーション最終戦となる2025年シーズン。元F1ドライバーの中野信治氏は、「現在のルールではマシン開発は煮詰まっており、2024年から勢力図に大きな変化はないだろう」と予想する。
しかし、ドライバーラインナップに目を移すと、5人のルーキーがフル参戦を果たすなど、顔ぶれは大きく変わっている。2025年のタイトル争いの動向とともに若手ドライバーの可能性について、ホンダの若手ドライバー育成も担当する解説者の中野信治氏に聞く。
2025年のF1を展望した中野信治氏 photo by Murakami Shogoこの記事に関連する写真を見る
【中団グループの競争はさらに激化】
中野信治 2024年シーズンがおもしろかったのは、レッドブル、マクラーレン、フェラーリ、メルセデスの"4強"による優勝争いと、ハースやレーシングブルズなどの中団チームの争い。その両方がしっかりと分かれていて、どちらも楽しめたっていうのが大きかったと思います。
どこか特定のチームが独走するのではなく、4チームがコース特性によって優勝争いする可能性があり、中団グループのコンストラクターズランキング争いも最終戦まで続きました。そういったスリリングな展開が2025年も続いてほしいですし、実際にそうなっていくでしょうね。
マシンに関しては現行のレギュレーションのなかでは煮詰まってきており、勢力図は大きく変わらないと思います。ただ中団グループは2024年のシーズン終盤にアルピーヌやザウバーも速くなってきたので、競争がさらに激化していくのではないかと予想しています。
チャンピオンシップで軸になるのはマクラーレンとランド・ノリスだと思います。スピードセンスという部分ではマックス・フェルスタッペンとノリスは互角のところにいると思いますが、マシンの競争力の部分ではマクラーレンが上です。ドライバーズ選手権ではノリスが優位になっていくでしょうね。
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著者プロフィール
川原田 剛 (かわらだ・つよし)
1991年からF1専門誌で編集者として働き始め、その後フリーランスのライターとして独立。一般誌やスポーツ専門誌にモータースポーツの記事を執筆。現在は『週刊プレイボーイ』で連載「堂本光一 コンマ1秒の恍惚」を担当。スポーツ総合雑誌『webスポルティーバ』をはじめ、さまざまな媒体でスポーツやエンターテイメントの世界で活躍する人物のインタビュー記事を手がけている。