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F12025年のルーキーたちを中野信治が分析 いま求められるドライバーの資質とは? (3ページ目)

  • 川原田 剛●取材・文 text by Kawarada Tsuyoshi

【新時代のドライバーに求められる資質】

 今、若いドライバーたちがいきなりF1マシンにポンと乗って活躍できるのは、現代のF1マシンが純粋に走らせるという部分でいうと、すごく扱いやすいからです。むしろ下位カテゴリーのF2やフォーミュラ・リージョナルのマシンはちょっと特殊で乗りづらいところがあります。

 だから若いドライバーたちがF1のマシンに乗ると、「ダウンフォースあるし、ブレーキも効いて止まるし、マシンの剛性もしっかりしている。すごく乗りやすい」と感じて、走れてしまうんです。

 僕も古い人間ですけど、同じような経験をしています。それこそカートからF3、現在のF2に相当するF3000とステップアップするたびに「ダウンフォースがめちゃくちゃあるし、タイヤのグリップもあって乗りやすい」と感じました。ただ僕らの時代は、下位カテゴリーからF1マシンに乗ったら、エンジンのパワーが強烈で、扱いがすごく難しかった。

 でも現代のF1は僕らの頃よりマシンが扱いやすいし、シミュレーターの精度も高いので、スピードセンスのあるドライバーだと、ゲームをするような感覚で速く走れてしまう。もちろんレース中にアグレッシブにいけるか、しっかりと守れるのか。プレッシャーに強いとか弱いとか、そういう差は出てくるのですが、目や反射神経がいい若いドライバーたちはタイムを出すだけならいけちゃうんです。

 これまでベテランが優遇されてきたのは、たとえばクルマを壊さないことですし、いろんな経験をしているのでセットアップの部分でのアドバンテージがあったからです。でもクルマづくりも大きく変わってきています、

 それまではドライバーのコメントに頼ってやってきた部分が多かったのですが、今はAIの解析システムなどをどんどん取り入れることで、ある程度のセットアップができてしまうんです。これまで重要視された経験値が100だったとすると、現在は60〜70ぐらいまで減っていると思います。

 それだけ技術が進歩してきているので、当然、ドライバーに求められる要素も変わってきています。スピードセンス、体力、柔軟性、協調性など、そういう能力が重要になってきているように感じます。

 あともうひとつ付け加えるならば、ドライバーの育成システムが機能していることも大きい。世界各国の自動車メーカーやF1チームが運営している育成システムが、若手ドライバーがF1にステップアップするまでの準備をすごく上手にやっています。だからF1に来ても、すんなり環境に馴染めています。

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