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【F1】角田裕毅とアゼルバイジャンGPの相性はいい 混沌の中団争いは「0.1秒」が順位を大きく左右する (2ページ目)

  • 米家峰起●取材・文 text by Yoneya Mineoki

【新型フロアがどこまで機能するかがカギ】

 モンツァで新型フロアを使った角田は、シミュレーターで感じていたフィーリングと実車があまりに違っていたことに愕然としていた。だが、これはシミュレーターに入力されたマッピングに誤りがあったことが原因のようだ。モンツァでの実走データを元にしたパラメータを入力すると、実車と同じような感触だったといい、シミュレーションモデルやシミュレーター側の問題ではないことは確認できている。

 そのモンツァの実走データをエンジニアたちが分析し、新型フロアのデメリットよりもメリットのほうが大きくなる。つまりコーナリング時の回頭性が向上し、ドライバーがそれを使いこなせるようなセットアップを導き出して、バクーに持ち込んでいる。

「モンツァのデータからエンジニアたちが賢明に分析して、何が悪かったのか、ある程度は理解しています。また、セットアップ面でどう対処すれば新型フロアの挙動特性によるデメリットを上回るメリットを引き出せるのかもわかってきているので、その点も楽しみにしています」

 モンツァは特殊なローダウンフォースパッケージで走っていたことも、風洞と異なる挙動を示した原因になっていた可能性がある。であれば、ロングストレートがあるとはいえ、モンツァほど特殊なパッケージではないバクーでは、新型フロアがきちんと機能するはずだ。

 金曜はダニエル・リカルドが新型フロアを使い、角田は旧型フロアを使って比較データ収集をさらに推し進める。マシンを最適化するため、フリー走行はかなり忙しくなるだろうとテクニカルディレクターのジョディ・エギントンは語る。

「今週末のテストプログラムは、かなり忙しくなる。通常のセットアップ作業とタイヤデータ収集作業に加えて、新型フロアを中心としたパッケージをさらに深く学び、最適化するために重要なテスト項目が多数あるからだ。依然として中団グループの争いは非常にタイトだから、両ドライバーともにポイント獲得を目指してマシン性能を最大限に引き出すことに集中しているよ」

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