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角田裕毅のオーストリアGPは「ぶっつけ本番」で比較テスト ホンダも全面サポートでPUデータをアップデート

  • 米家峰起●取材・文 text by Yoneya Mineoki

 オーストリアの山間に位置するレッドブルリンクは、強い雨が降ったかと思えば、強い陽射しが降り注いできた。ピットウォークには大勢のファンが詰めかけ、キャンプサイトには早くも無数のテントやキャンピングカーが並んでいる。

 前戦スペインGPが大不振に終わってしまったRBは、DRS(※)の作動トラブルで使えなかった新型リアウイングに対策を施しオーストリアにやってきた。それと同時に、バルセロナで投入したアップグレードに問題がないかどうかを確認すべく、新旧の仕様を2台で分けて比較テストを行なうことにした。

※DRS=Drag Reduction Systemの略。追い抜きをしやすくなるドラッグ削減システム/ダウンフォース抑制システム。

角田裕毅は不振から抜け出すことができるか photo by BOOZY角田裕毅は不振から抜け出すことができるか photo by BOOZYこの記事に関連する写真を見る「2台で仕様を分けて、違うアプローチを採る予定です。新旧で仕様を分け、今回さらに持ってきた新しいパーツもあるので、そのミックスという感じです。つまり、完全に旧型に戻すわけではなくて、新旧をミックスしながら2台で違うクルマにして比較する形です」

 そう説明する角田裕毅によれば、チームはいくつか原因とおぼしき点を見つけたという。セットアップ面でもっとうまくやれたはずの箇所もあったと見ている。

 角田のマシンに関しては、スペインGP決勝中にフロアマウントにダメージを負い、それが「マシンがおかしい」と感じた原因になっていたこともわかった。しかしそれだけでは、レース週末全体を通して競争力不足に陥った説明はつかない。だからアップグレードされたフロアやボディワークそのものの検証作業を、今回やることにしたわけだ。

「レース中にフロアにダメージがあったのは事実で、その影響もかなりあったと思う。ですが、それだけで(スペインGPの低迷の)説明が100パーセントつくかと言えば、そうではない。

 ほかにもいろいろ、あったということです。いくつか原因とおぼしき要素が見つかっているのは確かです。だけど、カナダ以前のレースと比べて何が違うのかは、まだ明確な答えがないという状況です」(角田)

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著者プロフィール

  • 米家峰起

    米家峰起 (よねや・みねおき)

    F1解説者。 1981年1月31日生まれ、兵庫県出身。F1雑誌の編集者からフリーランスとなり2009年にF1全戦取材を開始、F1取材歴14年。各種媒体に執筆、フジテレビNEXTやYouTube『F1LIFE channel』での解説を務める。

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