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F1ウィリアムズ育成に13歳・松井沙麗が大抜擢 「ノリと勢いで何とか残れて」幼少期から厳しい父と二人三脚 (3ページ目)

  • 川原田 剛●取材・文 text by Kawarada Tsuyoshi
  • 村上庄吾●撮影 photo by Murakami Shogo

【初めての飛行機&海外がレース】

ーーウィアムズの育成ドライバーに選ばれるきっかけは、FIA(国際自動車連盟)がフェラーリとともに2020年にスタートさせた女性ドライバーの発掘・育成プログラム「ガールズ・オン・トラック」でした。

広史 ヨーロッパのレースの動向を見ていて、FIAが女性ドライバーを増やそうとする動きがあると感じていました。いつかこんなプログラムに参加できたらいいなあと思っていたら、2022年の3回目の時にJAF(日本自動車連盟)が参加者を募集していました。

 チャンスだと思いましたが、ひとつ引っかかったのは「英語が堪能」という条件があったこと。うちの子は英語がダメだなあと(笑)。でも、カート仲間のお父さんたちに相談したら、「英語の堪能さの基準は人それぞれだから」と言ってくれました。出すだけ出してみたら、通ってしまったんです。

「コングラッチュレーション」という英文のメールが突然届いて、2週間後にフランスのポールリカールで行なわれる「ガールズ・オン・トラック」のプログラムに参加してください、と連絡がきました。そこから慌ててパスポートを取りにいきました(笑)。

松井の性格は「負けず嫌いでゲームでも妹には勝ちを譲らない」(広史さん)松井の性格は「負けず嫌いでゲームでも妹には勝ちを譲らない」(広史さん)この記事に関連する写真を見る

ーー実際、「ガールズ・オン・トラック」に参加して、同世代の女性ドライバーと走ってみた感想は?

沙麗 海外のレース経験はまったくなく、飛行機も初めてでした。最初は家族と離れて悲しかったですが、いざヨーロッパに行ったら楽しくて帰りたくなかったです。ヨーロッパのカートレースは見ていなかったので、参加者の実力を知りませんでしたが、みんなのレベルが高くて驚きました。

 正直、ファイナリストの4人に残れるとは考えていませんでしたが、ノリと勢いでいったら何とか残れて。自分でもビックリでした。

広史 私は仕事があったので同行できず、沙麗がお世話になっているカートチームの関係者の方に一緒に行っていただきました。

 その方によると、「ガールズ・オン・トラック」でカートを担当していたイタリアのカートメーカー・カートリパブリック(KR)のスタッフが沙麗を評価してくれたみたいです。「ドライビングでは間違いなく上位に入る。でも、ネックは言葉だね」と言われたそうです。

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