角田裕毅が「日本人はモナコに弱い」イメージを覆す ガードレールまでミリ単位のドライビングは「全部感覚」 (2ページ目)

  • 米家峰起●取材・文 text by Yoneya Mineoki

【低速コーナーの多いモナコに向けて自信あり】

「全部感覚です。ミリ単位とか、そういうのはないです。当たったら、それが限界っていうだけで。軽く当てるぶんにはいいんで、『あ、ちょっと触ったな』くらいがちょうどいいんじゃないですか?

 もちろん、コース幅をいっぱいに使うのも重要なんですけど、それよりもどれだけスピードを乗せていけるか。スピードが乗せられるなら、コース幅ギリギリまで使わなくてもいいですし、そこは特に気にしてないです。攻めれば攻めただけ、勝手に(ガードレールに)寄っていくんで」

 その"感覚"を、3回のフリー走行で少しずつビルドアップしていき、研ぎ澄ましていくのがモナコの重要なポイントだ。そのためにも、マシンを壊して走行時間を失うようなミスは許されない。

「とにかくコース上にいることが重要なんで、走行時間を最大限に有意義に使って、徐々に徐々にペースを上げていくことだけですね」

 イモラでは予選7位。実際には5位が狙える実力があったRBだが、レース週末を迎える前はあそこまでのパフォーマンスがあるとは、彼ら自身も予想していなかった。

 それに比べて、低速コーナーの多いモナコに向けては、もっと自信があるという。

「低速域と言っても、コーナリングアングルだったり種類にもよるんですけど、基本的にそれほど不得意としているところではありません。期待値はイモラを迎える前よりも少し高いというか、パフォーマンスに期待できるかなと思っています。

 でも、そこまで期待はしていなかったけど実際に走ってみたら速かった、ということもあるし、その逆も有り得るわけなので、実際に走ってみないとわからないかなと思います」

 レース週末を迎える前の木曜日。そうやって話しているそばから、モナコのハーバーに浮かぶ特設のエナジーステーションには大粒の雨が降ってきた。

 今週末のモナコは不安定な天気予報となっており、日曜以外は雨まじりの日々となっている。そうでなくても、眼前に地中海、背後に高く険しい山を抱えるモナコは、天気が変わりやすいことで知られている。

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