角田裕毅が初テストで「う〜ん」と難しい顔 ニューマシンで走ってみた3日間の正直な感想 (2ページ目)

  • 米家峰起●取材・文 text by Yoneya Mineoki

【テスト最終日には5番手タイムを記録したが...】

「新車は特に去年とそんなに大きく変わっていませんし、SNSでは僕が『(VCARB 01は)いい』って言ったのを切り取って、すごくよくなっているんじゃないかって盛り上がっているみたいですけど、全然、全然(苦笑)。そもそも、そんなこと言っていませんし、そんなに大きく期待しないでくださいって感じです(苦笑)」

 チームは昨年の最終戦アブダビGPにVCARB 01用のフロアを投入しており、ここで大きくパフォーマンスを向上させた。事実、予選6位・決勝8位という好結果を残している。

 昨年と変わっていないと角田が言うのは、そのAT04最終仕様の延長線上にあるクルマであり、劇的なレッドブル化を果たしたわけではない、という意味だ。

「ボディワークは自分たちで作らなければなりませんし、パーツだってみんなが思っているほどたくさん買っているわけじゃないし、たまたまメインスポンサーが同じというだけで基本的にはまったく別のチームですから」

 だから、レッドブルとの提携を強化して新たなスタッフが次々と加入しているとはいえ、マシンが急に速くなるわけではない。いきなり表彰台争いができるわけでもない。むしろ現実は、それよりずっと過酷だ。

 最終日にはC4タイヤを履いて5番手タイムを記録したが、それは全20人中10台しか走っていない状況下での話だ。C4タイヤを履かずに淡々とプログラムをこなしているチームもあれば、燃料搭載量もマシンによって異なる。

「今のところ(リザルトを見ると)Q3に行けそうですけど、そこを切り取って見出しにしないでください(笑)。暑い時間帯にタイムを記録しているドライバーも何人もいましたし、あまり期待はしすぎないようにしています。僕たちは現実的に考えていますし、チームの雰囲気としてはなんとかQ3に進出できればいいな、といったところです。

 でも、それは簡単ではないというのが現実だと思っています。チームの体制は大きく変わりましたけど、マシンは去年までと同じ(延長線上)ですし、あまり期待値を高くしすぎないほうがいいと思っています」

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