角田裕毅が初テストで「う〜ん」と難しい顔 ニューマシンで走ってみた3日間の正直な感想 (4ページ目)

  • 米家峰起●取材・文 text by Yoneya Mineoki

【ミスを犯しても「攻めてナンボ」とポジティブ】

 自分に与えられた時間のなかで何をなすべきか、そしていかに最大限にクオリティの高いテストをこなすべきか──。常にそれを意識し、コースを走る1周1周、コーナーひとつひとつを無駄にすることなく、クオリティを追求しているように感じられた。

 それはテストのクオリティだけでなく、角田裕毅自身のクオリティが上がったことを意味している。

 最終日の最後の1時間でアタックラップを連続して行なった角田は、最後にミスをして完璧なアタックを決められなかった。しかし、クオリティを高めるという点において、角田はそこにも意味を見出している。

「1回目のアタックラップはすごく満足できるラップだったんですけど、C4の最後のアタックをうまくまとめきれなかったのが残念ですね。ターン11でプッシュしすぎて大きなミスをしてしまいました。

 でも、それもいい経験になりました。あそこまでプッシュすれば限界を超えるんだというのがわかって、データからもフィーリングからもマシンの限界を掴むのに役立つと思います。攻めた結果ですし、テストなので攻めてナンボかなと思います」

 この2024年の働きが、来季以降のF1キャリアを大きく左右することになる。

 「角田裕毅の完成形を見せる」と誓った2024年の開幕に向けて、角田裕毅はすでにまた一歩、パーフェクトに近づいている。

プロフィール

  • 米家峰起

    米家峰起 (よねや・みねおき)

    F1解説者。 1981年1月31日生まれ、兵庫県出身。F1雑誌の編集者からフリーランスとなり2009年にF1全戦取材を開始、F1取材歴14年。各種媒体に執筆、フジテレビNEXTやYouTube『F1LIFE channel』での解説を務める。

4 / 4

関連記事

キーワード

このページのトップに戻る